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心揺さぶるスピードを パラ陸上・佐藤友祈

夢舞台の感動 届ける側に

チケットは完売、客席は満員と、過去最大の盛り上がりを見せた4年前のロンドン・パラリンピックが人生を変えた選手は多い。パラ陸上車いす部門で期待の若手、佐藤友祈(ともき、WORLD-AC)もその一人だ。

脊髄炎を発症し、21歳で車いす生活に。ロンドン大会の映像を見て障害者のイメージが覆った。「競技用車いすに乗るだけでこんなに速く走れるんだ」。知人を通じて選手を紹介してもらい、トレーニングを始めた。

佐藤は「僕自身もレベルがあがっているので、これをリオで出すだけ」と語る

2年前、同じ車いすアスリートで、今回のリオで3大会連続出場となるベテランの松永仁志(43)に師事するため岡山へ移住。そこで力を磨いた結果が表れたのが昨年の世界選手権だ。脊髄損傷などの障害で車いすに乗るT52クラス男子400メートルで金メダル、同1500メートルでは銅メダル。

車いす部門は障害の程度でクラスが51から54まで分かれ、52は重い方だ。脇腹の肋骨あたりから下は感覚がなく、左腕全体がまひして握力は2~3キロ。右も握力は12~13キロぐらい。その状態で車いすをこぎ、時速30キロ近いスピードを出す。

車輪を回す際、時計の12時方向からキャッチし、3時方向あたりでリリースする。多くの選手はリリースで大きく腕を後ろに振り上げるが、佐藤はコンパクトで無駄な動きが少ない。松永が最初に見た時、「フォームは今のままでいい」と助言したというから、天性のものがあったのだろう。

実は世界選手権の400メートルは、ロンドン大会4冠の絶対王者レイモンド・マーティン(米国)が欠場した中での戴冠だった。「金に満足してないわけじゃないが、マーティンとの戦いはお預けとなったので、今からリオが楽しみ」と話す。体重77キロの佐藤に対し、マーティンは40キロ台。スタートダッシュでは勝てない。中盤からの加速で食らいついていけるか。

4年前に憧れた舞台に立つことについて「世界選手権よりかなりレベルの高い戦いになると思う。でも僕自身もレベルがあがっているので、これをリオで出すだけ」と決意を語る。

今度は自分の走りで、テレビの向こうの人々の心を揺さぶりたい。(摂待卓)

(おわり)

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