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イチロー、三振急増の裏に「外角高め」の球あり
スポーツライター 丹羽政善

(2/3ページ)
2016/9/5 6:30
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ただ、スイングを見ていると、カットしようとしているようにも映った。それはラインブリンクが指摘していたことでもある。

元投手コーチの存在も見え隠れ

「カットで逃げられる可能性はある」

コースそのものは、ストライクかボールか微妙なところ。打ってもあまりいい結果が生まれないとイチローが判断すれば、ファウルを打って次の球を待つ。

「見逃されれば、ボールになる確率も高い」とラインブリンク。「そうなるとこっちが不利になるかもしれないから、それなりのコントロールは必要になる」

この辺りはまさに打者と投手の駆け引きか。

ただ実のところ、外角高め付近の球を振って空振りするケースが目についたのはそのレッズとのシリーズが最後である。先ほど紹介した8月の14三振のうち11三振は、18日のレッズ戦までの数字なのである。19日以降は36打席に対して三振の数はわずか3個で、打席に対する三振の確率は8.3%と1桁台に下がった。

(注)図2は8月19~31日のデータ。左側が外角。BrooksBase.netより

(注)図2は8月19~31日のデータ。左側が外角。BrooksBase.netより

外角高めの球がどうなっているかというと、8月19~31日の振って空振りしたケースを示した図2によれば、相手が相変わらず外角高め周辺にボールを集めているものの、振っても空振りする割合が少なくなっていることがわかる。外角の球を振って三振したのは1度だけだ。

レッズ戦でのデータにしても、19日以降の数字にしてもサンプルの数が少ないが、傾向を見ればイチローが適応した、と考えられる。ちなみにレッズ戦だが、相手監督は2000年から06年までマリナーズで投手コーチを務めたブライアン・プライス。あの徹底した外角攻めの背景には、彼の存在もどこか見え隠れしている。

さて19日以降、三振の数には歯止めがかかったが、31日まで32打数5安打で打率は1割5分6厘。8月の月間打率は結局、2割9厘と低迷した。これは三振の数以上に深刻ではないか。4月から6月までは月間打率が3割を上回った。7月は2割5分ちょうど。これで9月も低迷するなら、雑音が大きくなる。

昨年、レギュラーの外野手3人がそれぞれ故障などでたびたび欠場。第4の外野手だったイチローのスタメン出場が図らずも増え、打席数は398に達した。ただ、9月以降の打率が1割3分1厘と低迷すると、米メディアは40歳を超えた年齢と結びつけ、「疲れた」と捉えた。この春、ドン・マティングリー監督も言った。

「昨年、イチローを使い過ぎだ。だから、疲れてしまった」

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