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イチロー、三振急増の裏に「外角高め」の球あり
スポーツライター 丹羽政善

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2016/9/5 6:30
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2004年4月24日のことである。試合前、その年にパドレスに入団した大塚晶文(現中日コーチ)にストライクゾーンの図を使いながら、イチローの攻略法について聞いていた。

――追い込んだら、どこに投げます?

すでに修正したが、イチローの三振が急増した時期がある=共同

すでに修正したが、イチローの三振が急増した時期がある=共同

「そんなこと、言えるはずがないじゃないですか」と大塚。そりゃ、そうだ。

「ここと言うわけじゃないけれど…」

ただ、過去のデータなどを示しながら、打ち取る場合は、わずかながら共通点があるように思うのだけれど……と食い下がっていると、右の人さし指を図のある位置に落とした。

「ここと言うわけじゃないけれど、このへんと考えてください」

大塚が指さしたのは、外角高めだった。

「スコットが抑えているはずです。彼にも聞いてみたらどうですか?」

スコットとは同じリリーフ投手のスコット・ラインブリンクのことで、その時点でのイチローとの対戦成績は4打数1安打。通算16打数3安打(打率1割8分8厘)。彼のところへ行って同じ質問をすると、やはり「外角高め周辺がポイントになる」と教えてくれた。

「攻める過程のなかで、球種よりも外角高め付近の球をうまく使えたら、打ち取る確率が高くなる」

さて今回、どうしてそんなに古い話を持ち出したかといえば、7月以降のイチローの打席を見ていて、気がついたことがあったからである。

その前に触れておきたいのが、イチローの三振数の増加。実は7月以降、急激に増えた。4月は33打席で2三振。打席数に対して三振する確率は6.1%。5月は64打席で3三振。同確率は4.7%。6月は80打席で7三振。同確率は8.8%。3カ月平均では6.8%だ。ところが7月は44打席で7三振。同確率は16.0%。8月は75打席で14三振。同確率は18.7%まで上がった。

(注)図1は8月15~18日のデータ。左側が外角。BrooksBaseball.netより

(注)図1は8月15~18日のデータ。左側が外角。BrooksBaseball.netより

そこで、気づいたのが相手の攻め方である。イチローは7月に入って、追い込まれてから外角高め周辺の球で空振り三振に仕留められるケースが目立つようになった。象徴的だったのが、8月15~18日のレッズ戦。イチローは4試合すべてにスタメン出場し、15打数4安打だったが、4試合で6三振を喫している。そしてその6三振のうち、3つが外角高めを中心としたコースの球だった。その4試合において、振って空振りしたケースをコースごとに示したのが図1だが、やはり空振りしたコースは外角高め付近に集まっていることがわかる。

大塚やラインブリンクの、「でしょ?」という声が聞こえてきそうだ。

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