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もしも東京五輪で福原愛が台湾代表になったら
編集委員 北川和徳

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2016/9/2 6:30
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リオデジャネイロ五輪に最大の影を落としたのはロシアによる国家ぐるみのドーピング隠しだった。国際オリンピック委員会(IOC)がロシア選手団全体の排除を避けたことで、リオには200人を超えるロシア選手が出場を果たし、19個の金メダルを獲得した。

高齢選手が活躍、五輪は素晴らしい

会場からはロシア勢へのブーイングも起きたそうで、勝者への疑念が芽生えたことは否定できない。日本選手は幸いにも無縁だったが、ドーピングに関して欧米とロシア、中国の選手同士が批判の応酬をするなど、五輪にはもっともそぐわない雰囲気も生まれた。

そんな中でも、「やっぱり五輪はいいな」と思わせるシーンもたくさん見ることができた。日本選手の話題以外でもだ。例えば、過去にはあまり見られなかった高齢アスリートの活躍が挙げられる。

卓球の女子シングルスで53歳のルクセンブルク代表、ニシャリャンのにこにこしながらのプレーは見ていて楽しくなった。元中国代表で20代のころに国籍を変えた帰化選手。失礼ながら、見た目は日本の普通のおばさんのようでもある。

左利きでフォアもバックも同じ面で打つ古典的ペンフォルダーだが、両面にラバーを張っていて、一瞬でラケットを反転させて両面を使いこなしている。必要最小限しか動かない。しかし、巧みに手首を使ってほとんどのボールを簡単に返球する。素人の卓球プレーヤーにも参考になりそうだ。

昨年は国際大会で福原愛(27)に勝ったこともあるという。3回戦で敗れたものの、ロンドン五輪の銅メダリスト、フェン・ティアンウェイ(シンガポール)から2ゲームを奪った。もし勝っていれば、福原と対戦したかもしれない。

体操女子のオクサナ・チュソビチナ(ウズベキスタン)の跳馬の演技にも驚いた。41歳にして種目別の決勝に進出。跳馬を前転で飛び越えて2回宙返りして着地する最高難度「プロドノワ」を披露した。残念ながら着地が決まらなかったが、勢い余ってさらにもう一回転する躍動感。まるで年齢を感じさせない。

41歳のチュソビチナは7度目の出場

旧ソ連時代からの体操選手。最初の五輪は旧ソ連の合同チームで出場して団体金メダルを手にした24年前のバルセロナ大会。17歳だった。その後は祖国ウズベキスタンや、難病の子供の治療で移住したドイツ代表として活躍。13年にドイツ側の了解を得て再びウズベキスタンに国籍を戻し、通算7度目の五輪出場を果たした。

競技を続けたのは賞金やスポンサーを得て、子供の治療費を稼ぐ目的もあったという。その間に体操はルール変更が何度もあり、彼女が得意とする跳馬の形状もすっかり変わってしまった。それでもトップレベルの実力を維持している。スキー・ジャンプの葛西紀明(44)さえ上回る究極のレジェンド(伝説)と呼べるだろう。

2人とも国籍を変えた帰化選手であるということに注目している。ニシャリャンの事情はよく分からないが、チュソビチナの2度にわたる国籍変更は家族の事情と祖国への愛着によるものだ。

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