2019年7月20日(土)

フルスイングの余韻(山崎武司)

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中日・谷繁監督解任に思う チームづくりの難しさ

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2016/9/4 6:30
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8月9日、中日監督の谷繁元信の休養が発表され、任期途中で事実上の解任となった。結果がすべての世界で結果を出せなかった以上、仕方ないといえば仕方ない。だが、いまの中日はグラウンドの内外で問題が山積みになっている。監督に責任を取らせただけでは何も変わらない。再建への道は容易ではないだろう。

任期途中で事実上の解任となった谷繁監督。結果がすべての世界で結果を出せなかった=共同

任期途中で事実上の解任となった谷繁監督。結果がすべての世界で結果を出せなかった=共同

若手を使う覚悟や我慢が足りず

谷繁は2014年から選手兼任で指揮を執り、1年目が4位、2年目が5位。今年は監督に専念したものの、休養直前の7日まで43勝58敗3引き分けで最下位に沈んでいた。やってみないとわからないのが勝負の世界とはいえ今年の戦力不足は明らかで、開幕前の下馬評からして低かった。ナインの反骨精神や新戦力の4番ビシエドの活躍もあって春先は健闘していたけれども、長丁場を乗り切るだけの地力はなかった。

谷繁自身を含めてチームの顔だった多くのベテランが昨季で引退し、世代交代は急務だった。谷繁も思い切って若手を使おうとはしていた。だが結果が出なくても腹をくくって使い切るという覚悟や我慢が足りなかった。10年目を迎えた長距離砲の福田永将あたりはなんとか一本立ちさせてほしかったのだが……。

今回の解任劇は中日が抱えるより大きな問題も露呈してしまった。落合博満ゼネラルマネジャー(GM)をはじめとするフロントと現場のコミュニケーション不足だ。落合GMが1軍の試合に顔を見せず、谷繁と長いこと話もしていないという異常事態がファンの間でも周知の事実になっていた。

谷繁監督は落合GMの監督時代に選手としてプレーしていた=共同

谷繁監督は落合GMの監督時代に選手としてプレーしていた=共同

谷繁とともに、その右腕だった守備コーチの佐伯貴弘もチームを離れた。かたや落合GMと気心の知れた森繁和ヘッドコーチは残って監督代行を務めている。谷繁は落合GMの監督時代に選手としてプレーしていたし、落合GMの就任と同時に監督にも就いた。お互いのことはよく知っていたはずだ。それがどうしてこうなるのか。

GMと監督の大きな溝、チームに影

落合GMは昔から口数が多い方ではないし、本当のところは本人たちにしか分からない。だがどんな理由にしろ、不協和音がこれほどあからさまになってしまうのはまずい。

おいしい料理をつくるために食材を選び、調達するのがGMの役割なら、それを調理するのが監督だ。互いに意見を出し合ってチームづくりを進めていくべき立場の人たちが別々の方向を向いていたのではチームはまとまらない。会社で管理職同士が対立していれば平社員は戸惑うだろう。

野球選手が稼ぐには上司である監督やGMの好き嫌いを抜きにして成績を残すしかないが、チームの一体感なり雰囲気がパフォーマンスに影響するのは避けられない。

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