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原作はアニメ…2.5次元ミュージカル急成長

漫画やアニメの原作をもつ「2.5次元ミュージカル」の市場が急拡大している。ぴあ総研(東京・渋谷)がまとめた2015年の2.5次元ミュージカルの市場規模は、初めて100億円の大台を突破した。「テニスの王子様」などヒット作の人気に加え「スーパー歌舞伎2『ワンピース』」など、新ジャンルが市場の幅を広げた。市場規模は4年連続で最高を更新した。

ゲーム発の「ショウバイロック!!ミュージカル」は原作を忠実に再現した(C)2012, 2016 SANRIO CO., LTD SHOWBYROCK!!製作委員会(16年2月)

2.5次元ミュージカルとは、漫画やアニメ、ゲームなどの原作を忠実に再現したミュージカルや舞台を指す。2次元コンテンツを3次元で展開することから「2.5次元」と呼ばれる。1つの作品を多面展開するメディアミックスの一環。スター役者がいなくても原作の固定ファンの着実な動員が見込め、興行側は劇場でのグッズやDVDの販売でも収益を確保できる。2014年に業界団体の日本2.5次元ミュージカル協会が発足した。

市場規模は速報値で104億円と14年比で10.2%増えたもようだ。タイトル数は14年より20本多い、123本。公演回数は17.8%増の1660回と、急激に伸びた。

ただ観客動員数は132万人と、逆に3.1%減った。14年は宝塚歌劇100周年記念で「ベルサイユのばら」などの公演が多く、その反動が出たとみられる。市場が拡大したのは「公演チケットの平均単価が上昇したため」(ぴあ総研の笹井裕子所長)だ。

2.5次元ミュージカルの草分け的存在は、03年に始まったミュージカル「テニスの王子様」で、公演は今なお続いている。15年3~5月には「NARUTO―ナルト―」が国内4都市で全49公演し、約4万5000人を動員した。

業界団体の日本2.5次元ミュージカル協会(東京・目黒)は、15年3月に2.5次元ミュージカルの専用劇場「アイア2.5シアタートーキョー」(東京・渋谷)を開設。市場拡大をけん引した。

専用劇場は当初、16年4月末までの運用予定だった。だが首都圏で劇場が不足しているため、運用期間を17年4月末まで1年間延長することにした。

日本の漫画やアニメは海外でも人気がある。訪日外国人も楽しめるよう、英語、中国語などの字幕が映るメガネ型デバイスを用意するなど、多言語対応にも力をいれている。

笹井所長は「ミュージカル全体の市場は15年は620億円で、2.5次元ミュージカル市場の存在感が増している」と分析する。今後は「作品の多様化ととともに市場は成熟化するが、新しいヒット作が出れば成長が続くだろう」と話していた。

(企業報道部 広沢まゆみ)

[日経産業新聞9月1日付]

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