2019年8月23日(金)

漫画で会話学ぶAI TISら手法を研究へ

2016/8/23 6:30
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情報サービス大手のTISは、はこだて未来大学と共同で、人工知能(AI)が会話を学ぶためのデータを短期間で作る手法の研究を始める。従来は交流サイト(SNS)などインターネット上で無償で入手できる文字データを使っていたが、漫画やアニメの会話を活用し、場面に応じた会話例を効率的に収集する。接客やコールセンターなど対話の場面で使える企業向けシステムの開発に生かす方針だ。

コールセンターで人工知能を活用する例が増えている(写真はイメージ)

コールセンターで人工知能を活用する例が増えている(写真はイメージ)

研究に参加するのは、人工知能学会の前会長だった松原仁はこだて未来大学教授の研究室と、TISが出資するIT(情報技術)ベンチャー、エルブズ(東京・渋谷、田中秀樹社長)。研究は2017年3月までの期間で、AIがスムーズに会話するための関連技術を研究する。

AIがヒトとやり取りするには、会話の手本となるデータを数多く学んでおく必要がある。特に企業が業務向けシステムで活用する場合、一般的な会話のベースとなるようなデータに加え、関連する業務の内容や専門用語などについても学ぶことが欠かせない。

研究では漫画やアニメなどから、スムーズに会話している場面を選び出し、内容をテキスト化してAIの学習データとして活用する。例えば、飲食店を舞台にした複数の作品から会話内容を抜き出して学習すれば、飲食店の接客に使えるAIを短期間で制作できるとみている。

従来、AIの学習にはツイッターなどインターネット上のデータをテキスト化して用いていたが、SNSの投稿内容は会話として成立していない場合も多く、対話の学習には使いづらいこともあった。業務ごと、場面ごとに会話の展開を人間が細かく想定する必要もあり、制作には手間がかかっていた。

まずは2次使用が許可されている漫画などから会話データを抽出する。システムを事業として展開する際には出版社などと権利使用の交渉をし、作品のテキストデータを活用する可能性もあるという。

TISなど3者は会話データの抽出、活用のほか、AIが不自然なやり取りをすることを回避するテーマでも共同研究を進める。想定外のやり取りになることが予想された場合に話題を変えるなどできれば、AIとヒトの会話をスムーズに続けられる可能性がある。

TISは15年11月にAIの技術開発を推進する専門組織を立ち上げ、実用化に向けた研究を急いでいる。

(企業報道部 諸富聡)

[日経産業新聞2016年8月23日付]

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