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カブス快走 勝つのはマドン・マジックか 呪いか
編集委員 篠山正幸

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2016/8/23 6:30
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米大リーグで当代一の知将との評もあるジョー・マドン監督(62)が、100年以上も"世界一"から遠ざかっている老舗球団、カブスに魔法をかけつつある。4番の送りバントあり、投手を代打に立ててのスクイズありと、何をやってくるかわからない。しばらく3割打者がいなかったチームがナ・リーグ中地区で首位を快走、勢いは本物になってきた。(記録は21日現在)

「マドン野球」がチームに浸透

黒縁眼鏡で、スコアシートなどの資料を手にしながら会見に臨むマドン監督は野球人というより、地質学か何かの研究者という雰囲気を漂わせている。その頭脳のなかでどんな演算が行われてその作戦が出てくるのか、誰も予測不可能だ。

打者ごとの打球方向のデータをもとに、内野手が右寄りにシフトし、三遊間には三塁手だけといった極端なシフトがメジャーで定着したが、その創始者の一人といわれる。

8月3日のマーリンズ戦、1-4から1点を返したあとの無死一、二塁でマドン監督は4番で起用していたベン・ゾブリストに送りバントを命じた。主軸がこの指令にきっちり応えたあたり「マドン野球」がチームに浸透している様子がうかがえた。

ただし、この回は後続が凡退して無得点。九回に打線がつながり、最後は逆転勝ちするのだが、負けていれば押せ押せムードのなかの4番のバントには疑問符がついていたところだ。しかし、それがマドン流だと知っている地元マスコミに批判的な論評はみられなかった。ヤンキースやレッドソックスと並び、何かとうるさい地元メディアがおとなしく見守っていること自体、かなり珍しいことだ。

本塁打はそこそこ出てきているものの、中軸を含め打率は高いとはいえない。ほとんどの打者が2割台で、クリス・ブライアントがやっと3割に届いたばかり。そんな打線がしぶとく得点を重ねているのはベンチワークの妙を抜きにしては語れないだろう。

投手陣は盤石だ。15勝5敗のジェイク・アリエッタ、13勝4敗のジョン・レスター、13勝6敗のジェイソン・ハメルら先発陣が充実。ここにトレード期限間際の駆け込みで、ヤンキースから抑えの160キロ左腕、アロルディス・チャプマンを加え、ポストシーズンを勝ち上がることを見据えた補強も進めた。

こうした投手陣があれば、誰が指揮を執っても……とも思われるのだが、ルー・ピネラ氏ら、やり手と見込まれてこのチームに招かれた監督のほぼ全員がこれまで討ち死にしてきたことを考えると、マドン監督の手綱さばきにはやはり注目すべきものがあるといっていい。

相手打者との相性を考え、投手をいったん野手として下げ、その打席が終わったあとでまたマウンドに戻すという作戦も採ったことがある。

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