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逆転のニッポン 強い意志貫き金12個

リオデジャネイロ五輪で日本選手団が獲得した金メダルは12個。栄冠へと至る12の物語はそれぞれながら、目立ったのは逆転劇だ。追い詰められた時にこそ、本当の強さを発揮した選手たちの姿がまぶしかった。

バドミントン女子ダブルス決勝でデンマーク組と対戦する高橋、松友組=写真 玉井良幸

体操男子個人総合では、世界王者の内村航平(コナミスポーツ)が最終種目の鉄棒で大技を豪快に決めて逆転勝利。「何も出ないところまで出し切った。負けても悔いはないという感じだった。今回ほど負けるんじゃないかと思った試合はない」。迫真の演技で内村に迫ったオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)とは0.099点差。最強の挑戦者が内村から最高の演技を引き出したともいえる名勝負となった。

17日のレスリング女子は3選手が決勝の残り30秒を切ってから逆転してみせた。48キロ級の登坂絵莉(東新住建)は「ここしかないと思って、これで取れなかったら後悔する」と起死回生のタックル。58キロ級の伊調馨(ALSOK)は「相手がタックルにきてくれたので、最後のチャンスだと思って取りにいった」。終了寸前に試合をひっくり返して4連覇達成だ。

内村のつり輪=写真 柏原敬樹

3人目は69キロ級の土性沙羅(至学館大)。「2人が諦めずに頑張っている姿を見て、負けていられないと思った」。翌日には63キロ級の川井梨紗子(至学館大)が隙のない試合を見せて金メダルに輝いた。「3人のメダルを見て自分もほしくなった。絶対金メダルを持って帰るという気持ちでマットに上がった」

バドミントン女子ダブルスの高橋礼華(26)、松友美佐紀(24)組(日本ユニシス)は決勝の最終第3ゲーム、16-19からの5連続得点で試合を決めた。高橋は「レスリングで(3人が決勝で)全部逆転勝ち。ここからでも逆転はあり得るな、と切り替えた」。松友は「最後の2、3点は無心だった」と語った。

競泳女子200メートル平泳ぎの金藤理絵(Jaked)は前回ロンドン五輪の代表落ちから復調しての栄冠。柔道女子70キロ級の田知本遥(ALSOK)はロンドン7位などの曲折を経ての金メダルで、競技人生の「逆転」に成功した。金藤は「ここまで待たせてしまってすみませんという気持ちがある」と語り、田知本は「(この4年は)本当に苦しかった。でも今日のためにあったんだな」。

レスリング女子48キロ級決勝でアゼルバイジャン選手(右)と対戦する登坂

逆転ではなく、「完勝」で日本選手団の先導役となったエースもいた。競泳男子400メートル個人メドレーで金メダル1号となった萩野公介(東洋大)は「平泳ぎがいい感じでいけたので、最後の自由形に(力を)残せた」というプラン通りの勝利だった。お家芸の柔道で日本人金1号となった男子73キロ級の大野将平(旭化成)も危なげなし。「圧倒的な差をつけるという目標を掲げ、五輪という場で出すだけだった」

先行逃げ切りで大野に続いたのは男子90キロ級のベイカー茉秋(東海大)。「金と銀では違うと分かっている。それがポイントを取ってからの試合運びに出た」。必要なのは、勝利への強い意志と思い切りのいい判断力。12個の金メダルがそう教えてくれている。

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