会場はブラジル人ファンでぎっしり埋まった聖地マラカナン、顔合わせはブラジル―ドイツ。リオ五輪サッカー男子の決勝として、これほどふさわしいカードはないだろう。過去に一度も手にしたことがない五輪の金メダルを目指すブラジルの最後の戦い。決戦の舞台は整った。
■「ミネイロンの惨劇」のトラウマ
ドイツには2年前のワールドカップ(W杯)準決勝、1―7で粉砕された「ミネイロンの惨劇」の借りがある。そのトラウマを多少なりとも振り払うためには格好の相手。W杯メンバーはDFギンターの1人だけという別のチームであっても、特別な相手には違いなかった。
とはいえ、むざむざと引き立て役に終わるほどヤワなチームではない。完全にカナリア色に染められた観客席に囲まれたピッチで、先に決定機をつくったのはドイツ。11分、左サイドでマークをひき付けたグナブリーからパスを受けたMFブラントが巻くように回転をかけたミドルシュートは、わずかにコースが高くクロスバーを直撃した。
肝を冷やしたブラジルだが、ここから徐々にペースをつかむ。オーバーエージの主将ネイマールを筆頭に、ガブリエルバルボサ、ガブリエルジェズス、ルアンというアタッカー4人を並べた前線はいずれもスピード十分。どこからでも速攻が仕掛けられる強みを生かしつつ、中盤でレナトアウグストらが体を張ってボールを奪い、攻勢を強めていった。
先制点が生まれたのは26分。自ら倒されて得たFKを蹴るのはネイマールだ。ゴールに向かってやや左、20メートル強の位置。強烈なシュートは必死に伸ばしたGKホルンの手をかすめ、クロスバーに当たってゴールの中へ吸い込まれた。大観衆とピッチ上の選手たちがシンクロするような興奮が広がっていく。並のチームなら音を立てて崩れそうな状況で、すぐさま反撃に出られるのが不屈のドイツだった。
31分に左サイドからMFマイヤーが蹴ったFKがゴール前をかすめて相手守備陣を混乱させると、直後のCKのこぼれ球をマイヤーがペナルティーエリア内でシュート。これはGKに阻まれたが、ブラジルのカウンターを恐れず両サイドを攻め続けたことが59分の同点ゴールにつながった。右サイドを駆け上がった右SBトルヤンの折り返しを、ペナルティーエリア内でフリーになったマイヤーがダイレクトでゴール左へ流し込んだ。
■両チームの意地と注意力、途切れず
今月4日の1次リーグ初戦から、ほぼ中2日のハードな日程をこなしてきた両チーム。時間とともに疲労の色が濃くなり、プレーにキレと精度が落ちたのは無理からぬところだろう。それでも失点は許さないという意地と注意力は最後まで途切れない。延長戦でも決着がつかずにもつれ込んだPK戦も、枠を外すような単純ミスは一つもなかった。
2024年と28年の夏季五輪をパリとロサンゼルスで開催するのが確実となった。両都市での開催はともに3回目と、ロンドンに並びトップに立つ。夏季、冬季を合わせて五輪を2回以上の開催(予定含む)は東京を含
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【ジュネーブ=原克彦】国際オリンピック委員会(IOC)は31日、2028年夏季五輪の開催都市をロサンゼルスに決めたと発表した。IOCは24年大会に立候補しているロサンゼルスとパリを、24年と28年に