勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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東京五輪に向けた戦いは既に始まっている

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2016/8/23 6:30
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ブラジルのリオデジャネイロで行われていたオリンピックは日本選手の活躍もあって国内でも大きな盛り上がりを見せた。次の2020年の夏季五輪の舞台はいよいよ東京だ。4年先が今から待ち遠しくて仕方ない。

リオ五輪のサッカー日本代表は残念だった。アジア予選をクリアできなかった女子の分も頑張ってほしかったが、1勝1分け1敗でB組3位に終わり、決勝トーナメント(ベスト8)に進めなかった。

大会前から今回の成否を決めるのは初戦のナイジェリア戦の最初の15分だと思っていた。日本がそこでペースをつかめば、前回ロンドン大会に続くベスト4も夢ではないと。結果はご存じのとおり、逆の目が出た。序盤からナイジェリアと点の取り合いになり、常に先行されて逃げ切りを許してしまった。

国際大会の日本、しのぐ展開ほど有利

今回の五輪の成否を決めたのは初戦のナイジェリア戦の最初の15分だった=共同

今回の五輪の成否を決めたのは初戦のナイジェリア戦の最初の15分だった=共同

国際大会の日本は、しのぐ展開になればなるほど有利になると思っている。スピードとパワーは外国勢に劣るもののスタミナは上だからだ。粘って拮抗した展開に持ち込めば、向こうが先に運動量が落ちてきて、日本の良さがじわじわ生きてくる。日本の終盤の優位性はB組の3試合、すべてで明らかだった。それだけに前半のうちから無駄な失点は避けたかったのだが……。

日本中が五輪のテレビ観戦に夢中になっている間、私は日本各地の中学、高校、大学年代の大会を見て回っていた。夏休みは各種の大会が花盛りなのだ。

高校年代でいえば、広島の全国高校総体(インターハイ)と日本クラブユース選手権を見た。前者は高校の部活の日本一を、後者はJクラブのユースなど民間のクラブチームの頂点を決める大会である。インターハイを制したのは流通経済大柏との千葉県対決に競り勝った市立船橋、クラブユースを制したのは清水エスパルスユースに快勝したFC東京U-18(18歳以下)だった。

面白かったのは同じ日本国内にいて、同じ年代のチームなのに、インターハイとクラブユースでは「文化」がまるで違うことだった。それを端的に表すのがキックオフ時間。インターハイ決勝は8月2日午後2時という真っ昼間に行われ、クラブユース決勝(東京・味の素フィールド西が丘)は夕方の午後6時キックオフだった。

炎天下のインターハイは「精神力」や「戦い」の要素が強く求められ、クラブユースは少しでもいい環境、条件の中でサッカーの質の良さを引き出そうとする。一流の選手になるには心技体のすべてにハイレベルであることが求められるだけに、両方をハシゴした私は、部活とクラブユースのいいところをミックスさせると世界で勝てる選手が育つように感じたのだった。

将来有望と思える原石を何人も発見

どちらの大会でも将来有望と思える原石を何人も発見した。今、18歳ということは4年後は22歳だから、原則23歳以下で競うサッカーの場合、もろに東京五輪世代ということになる。彼らの熱い戦いを見ながら既に東京五輪に向けた戦いは始まっている、とも思った。自国開催の五輪で活躍する機会など大げさではなく、生涯に一度しかない。そのまたとないチャンスに向かって、ここから4年、自分を徹底的に燃やし続けてほしいものである。

その先陣を切ってというか、4年後を占う大会がサッカーの場合、実はもう目前に迫っている。9月15日から10月2日までインドで開かれるアジアサッカー連盟(AFC)U-16選手権と、10月13日から30日までバーレーンで開かれるAFCU-19選手権だ。

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