深層学習でも会話力はまだ3歳児以下

2016/8/19 6:30
保存
共有
印刷
その他

VentureBeat

人工知能(AI)市場に参入しているグーグル、マイクロソフト、IBM、アップルやその他の885社は全て、間違った方向で無駄な努力をしている。

自然言語の学習はAIにとっても難関だ(C)Shutterstock

自然言語の学習はAIにとっても難関だ(C)Shutterstock

機械学習や自然言語処理(NLP)を強引に高度な統計や「シリ」「エコー」「ビブ」「ハウンド」「スカイプ」などの会話ロボット(ボット)に使うと、そのエンジンと完全に一致しないコマンドを受け取ったら途端に質が大幅に下がってしまう。これはNLPが意味を「計算する」ことしかできないからだ。単語数を数えたり、語順をたどったり、構文を解析したりするのでは、確率の問題か、せいぜい当てずっぽうにしかならない。

■AIはまだ3歳児

AIは進歩を遂げているが、まだ基本的に解決されていない難問がある。それが「自然言語理解(NLU)」だ。グーグルで上級副社長を務めるジョン・ジャナンドレア氏は「言語理解は(AIの)究極の目標だ」と指摘する。

深層学習の専門家で、中国のインターネット検索大手、百度(バイドゥ)のチーフ・サイエンティストと米スタンフォード大学の助教授を務めるアンドリュー・ング氏は「(コンピューターが)意味あるやり取りをできなければ、会話はすぐに脱線する」と話す。機械学習と深層学習はこれを全部解決しようとしなかったのだろうか。

深層学習をもってしても、コンピューターはまだ人間と自然に話せない。自然言語の理解では3歳児にさえ絶対にかなわないだろう。人間の言語は囲碁やチェスとは比べものにならないほど複雑だからだ。しかも、会話が自然でなければ、チャットボットの生態系(エコシステム)は確実に潜在的な魅力を失い、一般に普及しない。

グーグルの英文理解支援ソフト「パーシー・マクパースフェイス」や「ノーマルファクターグラフ」と呼ばれる技術は、意味ではなく文法に基づいて解析する。存命する科学者で引用された件数が最も多いノーム・チョムスキー氏は「統計モデルに言語習得能力がないのは証明済みだ」と述べている。もっとも、チョムスキー氏が提唱するモデルは自然言語理解に成功していない。やはり文法に基づいて解析しているからだ。ノーマルファクターグラフや組み合わせカテゴリー文法(CCG)などのモデルも同じ問題にぶつかっている。

コンピューターはすべての単語が正確な意味と一致した場合に限り、その文章の他の単語の意味に基づいて会話音声を処理し、テキストを作成できるようにはなるだろう。まさに3歳児と同じだ。

■ボットも自然言語の能力次第

コンピューター科学者のヤン・レカン氏とング氏は、この問題を解決するには新たな枠組みの開発が必要だと口をそろえる。この「自然な会話」という非常に重要な問題を解決するために、いくつかの企業が名乗りを上げている。深層学習に特化したマルーバや、自然言語理解を手掛けるパット・インクのわがチームもその一部だ。

われわれは自然言語理解の分野で突破口を開いたと自負している。多くの著名な大学教授もこれに賛同するだろう。われわれは「役割指示文法(RRG)」モデルを自動化し、「語義の曖昧性解消」や「文脈追跡」「機械翻訳」「単語の境界の識別」を使うことで、しぶといAIの難問を解決した。

これにより、徐々に概念を習得できる自然言語理解の枠組みが誕生した。消費者向けのチャットボットや端末に応用されれば、会話能力が増し、人間のように話せるだろう。

自然な会話には、文脈を理解する能力や、1つのリクエストで複数の質問をしたり、質問を途中でやめて訂正したりする話し手の意図を理解する能力、ある言語の会話をもっと正確に別の言語に翻訳する能力などが含まれる。

自然言語理解がカスタマーサポートや会話のやり取りを向上させる可能性は無限に広がっている。

By Wibe Wagemans, Pat Inc

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]