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吉田、意志こそ力 4連覇の道 この手で開く

2016/8/18 3:30
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アテネ五輪から3つの金メダルを手にしてきた吉田沙保里でも、この大舞台の怖さを無視できない。「勝てる選手でも負けてしまうなど、難しいところがたくさんある。五輪は本当に何が起こるかわからない」。多くの実例を目撃してきたからこその本音だろう。

10月で34歳。チーム最年長として臨む五輪は過去3度とは大きく違う。両手首など体の節々に古傷を抱え、7月にも股関節を痛めて得意のタックルに支障が出るほどだった。年齢とともに増える故障に加えて、昨年発症したぜんそくの不安もある。

吉田(左)は父・栄勝さん直伝の「攻めるタックル」で勝利をめざす=共同

吉田(左)は父・栄勝さん直伝の「攻めるタックル」で勝利をめざす=共同

相手と組み合う格闘技という性格上、老練な技術でかわすにも限界がある。若いライバルたちの勢いを、下り坂に差しかかった女王がどう受け止めるのか。

「ここまでやってきたからには気持ちの部分が一番左右する。調子が悪くても良くても、そこは絶対に勝ちたいと、最後は自分の手が上がっていることをイメージしながらこれまでずっとやってきた。それは変えずにリオでも徹したい」

調子がよければ勝てるというレベルでは、連覇記録など達成できるはずがない。コンディションが悪ければどう戦うか、自分の何をぶつければ勝てるのか。培ったノウハウを総動員する戦いになる。

そのための軸となるのは、もちろん鍛え抜いてきた必殺技だ。「父が教えてくれた攻めるレスリング、攻めるタックルを絶対に出す。今までやってきたことは嘘をつかないと思うので」。2年前に亡くなった父・栄勝さん直伝の技で勝つことに意味がある。

今大会は女子として初めて日本選手団の主将を務める。1992年バルセロナ大会優勝の古賀稔彦を最後に、主将は銅メダルにも届いていないという不吉な前例を指摘する声には「私がジンクスをなくしたい」と笑顔で一蹴。余計な仕事は排除して自分の戦いに集中してもいいはずなのに、そうしないのはモチベーションの源泉になっているからだろう。

「前人未到の4連覇を達成することで、日本国民の皆さんが明るくなったり元気になったり感動してくれたらうれしい」。人に求められ、期待される喜び。そしてその期待にことごとく応えてきたのが吉田という希代のレスラーだ。

これまでになく厳しい戦いが待ち受ける。それでも「私はネガティブには考えない。なるようにしか人生はならないし、それをなるようにしていくのは自分ですから」。そうやって道を切り開いてきたという強烈な自負。この意志の強さで4連覇の偉業に挑む。

(本池英人)

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