2019年8月22日(木)

熱対策やっかいな屋根 高反射塗料などで多層防衛
夏に涼しい家の条件(下)

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2016/9/13 6:30
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日経アーキテクチュア

今年の夏も関西地方を中心に猛暑が続いた。できれば、暑さから解放されて涼しい家で過ごしたいものだが、省エネに詳しい東京大学大学院准教授の前真之氏は、「夏偏重の省エネ対策」を疑問視する。南面の日射遮蔽をやりすぎると、冬に日射取得ができなくなる。設計時の判断が重要になる。

図1 太陽の動きと日射熱の関係。夏の東西面の日射は強烈な温度上昇をもたらす一方で、冬の日射取得は期待できない。そのため、そもそも窓を減らすなどの徹底防御が基本。南面では夏は適度な庇で日射を防ぐとともに、冬はしっかり日射を取り入れるのが上策となる(資料:前真之)

図1 太陽の動きと日射熱の関係。夏の東西面の日射は強烈な温度上昇をもたらす一方で、冬の日射取得は期待できない。そのため、そもそも窓を減らすなどの徹底防御が基本。南面では夏は適度な庇で日射を防ぐとともに、冬はしっかり日射を取り入れるのが上策となる(資料:前真之)

図2 夏至、春分・秋分、冬至に各方位の壁に入射する日射量。東面・西面は夏至に強い日射が照りつける一方で、冬至には日射を期待できない。南面は夏至には日があまり当たらないが、冬至にかなりの日射があるので、日射遮蔽と日射取得のバランスが重要になる(資料:前真之)

図2 夏至、春分・秋分、冬至に各方位の壁に入射する日射量。東面・西面は夏至に強い日射が照りつける一方で、冬至には日射を期待できない。南面は夏至には日があまり当たらないが、冬至にかなりの日射があるので、日射遮蔽と日射取得のバランスが重要になる(資料:前真之)

今回は、住宅内への侵入熱の大物である「日射」の遮蔽について考えよう。まずは図1を見て、季節ごとの太陽の動きをよく確認したうえで、各面に当たる日射量の推移を図2で読み解いてみる。

■西・東は遮蔽、南はどうする?

夏は太陽高度が高いので、日射が一番強いのは水平面、次いで東西面となる。東西面には「横殴り」で日射が入ってくるので、庇(ひさし)はあまり効果がない(図3)。

南面については、南中している時の太陽高度が高いので、実はそれほど日射を受けない。とはいえ8月、9月には6月と比べると太陽高度が下がってくるので注意は必要だが、庇で効果的に防ぐことができる。最近の家は南側に全く庇を付けない場合が多いが、やはり適度に庇は必要だろう。

冬については、太陽高度が低いので南面に日射がよく当たる。夏ばかり考えて、庇を出しすぎて日射を遮らないように注意したいところだ。逆に東西面には、あまり日が当たらなくなる。夏のペナルティーも考えると、まずは窓を付けないか、付けるにしても小さく抑えることが肝心だろう。

図3 最近の住宅では南面に全く庇がない場合をよく見かけるが(左上)、8月、9月の太陽高度が低くなる時期には大量に日射が侵入するので内カーテンでは防げない(右上)。横からの強烈な西日は樹木程度では防ぎきれない場合が多く(下)、きちんとした外部での遮蔽が必須となる(資料:前真之)

図3 最近の住宅では南面に全く庇がない場合をよく見かけるが(左上)、8月、9月の太陽高度が低くなる時期には大量に日射が侵入するので内カーテンでは防げない(右上)。横からの強烈な西日は樹木程度では防ぎきれない場合が多く(下)、きちんとした外部での遮蔽が必須となる(資料:前真之)

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