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内村、満点演技は東京で 止まらぬ王者の歩み

2016/8/16 3:30
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体操男子の内村航平(27、コナミスポーツ)は、床運動で5位だった14日の種目別決勝で今大会を締めくくった。3度目の五輪は明らかに過去2回のそれを上回る手応えがあった。「初めて五輪で自分の満足のいく演技ができて、結果もついてきた」

例えば、悲願の団体金もさることながら、連覇を達成した個人総合決勝のベルニャエフ(ウクライナ)との名勝負が心に余韻を残している。「あのすごい戦いは二度とできないと思うし、自分の体操人生でも体操の歴史の中でもずっと語り継がれていったらいいなと思う」

それだけの達成感を得ながらも、今大会の自己採点がいかにも内村らしい。「80点じゃないですかね」。大きなミスがあった予選や肉体的に消耗の激しかった団体決勝の演技に満足できない部分がある。ただ、辛めの自己採点はもう一つ理由がある。「やっぱり東京五輪を控えているので。ここで100点出したら目標がなくなってしまうじゃないですか」

31歳で迎える2020年東京五輪。スポーツ界全体を見渡しても、同じくらいの年齢の選手で内村ほど東京への意欲を公言しているアスリートはいないだろう。その思いは結構、強烈である。

「僕の中ではほぼ強制みたいに思っている。東京に決まった瞬間、何かこの五輪に出るために体操をやっているのかなと思ったりした」。感覚的にはノルマやミッションに近いのかもしれないが、そもそも今の内村は体操に「楽しさ」だけを求めてはいないだろう。リーダーとしての自負心が競技をする上での原動力となっているのは、団体金メダルに懸けた熱い言葉や迫真の演技からも明らかだ。

次の4年間、これだけの至宝を預かる方は大変である。内村が信頼を寄せるトレーナーの今井聖晃は3年前に東京開催が決まった直後、内村とこんなやりとりをした。

「東京、決まりましたね」「そうだな」「じゃ、お願いします」

故障が増える年齢に差しかかり、練習と同じくらい体のケアが必要になる。「航平だけは2020年まで頭の片隅に入れて面倒を見ている」と今井は話す。コーチ陣や今井の目の隙を狙って難しい技をやろうとする内村に目を光らせるのも仕事だという。「演技構成はできるだけ上げない方が長持ちする」

実は、ルールの改正で東京五輪から団体戦の出場メンバーは1人減って1チーム4人となる。チーム編成上これまで以上にオールラウンダーが求められるが、さすがの内村でも狭き門になるかもしれない。

それは王者の望みでもある。「僕がいつまでも個人総合のトップでいるようでは日本の未来はない。(白井)健三には日本一にも世界一にもなってほしい」。4年後の体操ニッポンの姿とは。後輩たちに伝統を引き継ぐ務めとともに、キング・オブ・ジムナストの挑戦は続く。=敬称略

(山口大介)

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