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野球の基本が「勝負の鉄則」とは限らず

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2016/8/16 6:30
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野球は一瞬の判断力が求められるスポーツです。打撃や投球、守備で一般的に野球の基本やセオリーといわれていることが、必ずしも勝負の鉄則に当てはまるとは限りません。勝敗を決するような局面で自分が何をすべきかを瞬時に見極め、実行に移していく力を身につけることが、一流選手の仲間入りを果たすためには欠かせません。

若い選手には「瞬発力」鍛える経験多く

園部ら若手は自己をどれだけ確立できるかがワンランク上のレベルでやっていけるかの鍵を握る=共同

園部ら若手は自己をどれだけ確立できるかがワンランク上のレベルでやっていけるかの鍵を握る=共同

大きな重圧がかかる試合になればなるほど、悠長に立ち止まっている時間はありません。打席に向かうとき、頭の中であれこれと考えを巡らせている十分な間はなく、勝負にとって必要なものを反射的に判断し、体を動かしていくことが求められます。若い選手には、こうした「瞬発力」を鍛える経験を数多く積ませることで、勝負勘を体に染み込ませたいと考えています。

8月5日のウエスタン・リーグ公式戦、ソフトバンク戦では4-8で負けている八回2死一、三塁の場面で、若手の勝負勘を試しました。打席には高卒4年目の右打者、武田健吾選手。カウントは3ボール、0ストライクで、次の打者は長打力のあるボグセビック選手です。四球を選んで走者をため、外国人選手の一発に期待してもいいところですが、私は「待て」のサインはあえて出さず、武田選手に打たせる判断をしました。カウントを稼ぐ直球が百パーセント来る状況で、どのような打撃をするのかを見たかったからです。

思い切りの良いバットスイングを見せての空振りや、左翼方向へ引っ張った鋭いファウルでもよかったのですが、結果はやや甘い直球に差し込まれ、詰まった当たりのセカンドフライでした。

指導の意図、ミーティングで明確に

試合が終わり、彼に打席での意図を尋ねてみると「センター返しを心がけました」という回答が返ってきました。センター返しは打撃の鉄則なのですが、点差が開いて負けていて、直球一本に的が絞れるあの場面では必要のない姿勢です。むしろ、イチかバチかというぐらいの強気で、バットの芯でとにかく強い打球を飛ばそうと考えてほしかったのです。彼は野球の基本に従って打ちにいったわけですが、それが必ずしも勝負の基本であるとは限りません。

3ボールから打たせて「監督は何を考えているんだ」と選手がいぶかしく思うこともあるでしょう。ですから「常識的にはこうだけれど、あそこではこういう狙いがあった」などと、こちらの指導の意図をミーティングなどで明確に説明することが大事だと実感しています。

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