2019年5月22日(水)

解説者の目(有森裕子)

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マラソンの定石外した? 力ある女子に失望

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2016/8/15 6:30
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日本勢には3位に入る力があると思っていたので、かなりがっかりした。残念に思うのは、マラソンの基本といってもいいことができていないからだ。

今回のマラソンコースは5キロ過ぎから海沿いの周回を3周するものだった。その周回の間は道幅が非常に広かった。日本勢はその特徴に合わせたコース取りができていなかった。

日本勢最高の14位だった福士。ただ、コース取りが良くなかった=共同

日本勢最高の14位だった福士。ただ、コース取りが良くなかった=共同

良くなかった福士のコース取り

序盤の田中智美の位置取りは良かった。10キロまでは先頭集団の中に身を置いてレースを進めた。

しかし、福士加代子のコース取りは良くなかった。身を置く場を定めず、うろうろする感じで、集団の外側(進行方向に向かって左側)に出ている時間が長いのが気になった。

マラソンの定石にのっとると、最短ラインを示す路面のレッドライン上を走る必要があった。それは効率を考えてのことだけではない。

今回のように道幅が広く、空間が大きく空いていると、自分のスピードを感じにくい。しかし、ライン上を走っていれば、ラインが後ろに流れていく感じからスピードを体感できる。

うまく推進していると自覚できた方が気持ちよく走れる。それが精神的にプラスに働いて、ペースをキープしやすい。マラソンランナーがよくコースの端の柵沿いを走りたがるのも同じ理由からだ。大河の真ん中より川岸を進んだ方が速く感じると言えば、わかってもらえるかもしれない。

レースを終え、涙を拭いながら引き揚げる伊藤=共同

レースを終え、涙を拭いながら引き揚げる伊藤=共同

コース取りが悪いと、給水所でボトルを取りに行くうえでもムダな動きをしなければならない。どこを走ったらいいのかは事前に計画し、頭に入れておかなくてはならない。

伊藤舞に続き、15キロで田中が遅れ、福士も中間点を過ぎたところでマズロナク(ベラルーシ)が集団のペースを上げると対応できなかった。

給水所近づくたびに「揺さぶり」

給水所が近づくたびに、ケニア、エチオピア勢を中心とした先頭集団はペースアップして、水を取りに行った。しばらくするとペースは落ち着いたが、結果的にこれが「揺さぶり」になり、日本勢はこのスピードの上げ下げに順応できなかった。

日本の3人は私より能力があるのは間違いないし、練習量も多い。あの時点ではペースも日本選手がついていけないものではなかった。給水所でのペースの上げ下げは、どの大会でも起こることなので、それを想定した練習も普通は積んでいるはずだ。

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