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錦織、高いマリーの壁 「落胆大きい」

もっとしびれる勝負を演じられる自信があったのだろう。数日ぶりに青空が広がったテニスの男子シングルス準決勝、連覇を狙う第2シードのアンディ・マリー(英国)にストレートで敗れた第4シードの錦織圭(日清食品)は「やっぱり落胆は大きい。まだまだこんなに簡単にやられてしまうんだな」と、うなだれる。1920年アントワープ大会銀メダルの熊谷一弥以来となる日本勢96年ぶりのメダル獲得は、14日の3位決定戦に委ねられることとなった。

立ち上がり、安定感に大きな差

過去の対戦成績は1勝6敗と圧倒されているが、最後に相まみえた今年3月の国別対抗戦デ杯では5時間近くに及ぶフルセットの大激戦を演じていた。大きな手応えをつかんだが、今回は相手のプレーに隙が見いだせなかった。「特にサーブがよかったですし、けっこうボールも深く打ってきていた。(3月とは)少し違いはあったと思います」

立ち上がりからプレーの安定感には大きな差がくっきり表れた。第1ゲームを3連続サービスエースなどでラブゲームでキープして快調に滑り出したマリーに対して、錦織は第1サーブがなかなか入らない。第4ゲームにブレークを許すと、ここからさらに3ゲーム連続で奪われて第1セットを落とした。

「もうちょっとファースト(第1サーブ)を入れたかったですね。彼のサーブはすごく確率が高くて、リターンゲームもあまりチャンスがなかったのでサーブでどうにかしたかった」。第1サーブの成功率は60%。しかも鋭いリターンでばしばし攻めてくるとなれば、手が出ない。

続く第2セットは持ち直しの兆しも見えた。が、得意のドロップショットをネットにかけて第5ゲームをブレークされるなど、つかみかけた流れを失った。「集中力が持続できていなかった。ミスがすごく多くて、無駄なポイントが出てしまった。第2セットは徐々にいいポイントも出てきましたけれど、そういう中でもプレッシャーを感じてしまった」

前日の準々決勝は3度のマッチポイントをしのぐ3時間近い激戦だった。心身ともに疲労が残っていたことが影響したのかもしれない。ただし、マリーは「2人ともちょっと疲れはあったと思う。昨日、ケイは僕より長くプレーしていたしね。でも僕はその後で混合ダブルスも戦わないといけなかったんだよ」。より厳しい条件をこなしたマリーにミスは少なかった。世界ランク2位の壁はやはり厚かったということだろう。結局、一度もサービスブレークできないまま4-6でこのセットも失い、万事休した。

「気持ち切り替えてプレーしたい」

「まあしっかり体と、特に頭をなるべくリフレッシュして。明日もう一回大事な試合があるので、気持ちを切り替えてプレーしたい」と、錦織は半ば無理やりに前向きな言葉を連ねる。普段のツアーならば、負ければ次の大会に向けてゆっくり切り替えればいい。今回は3位決定戦という慣れない一戦が翌日に控えている。ショックを引きずっているわけにはいかない。

メダルを懸けて対戦する相手は、準決勝でタイブレークにもつれ込む好勝負の末にファンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)に競り負けた元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)。大きな落胆の直後に不慣れな一戦を強いられるのは相手も同じだ。「なるべく落ち込まないように。なるべく気持ちを切り替えるしか、ここはないと思います」。技術、体力とともに心の強さが問われている。

(リオデジャネイロ=本池英人)

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