2019年5月21日(火)

「たまごっち」誕生20年 まだまだ成長中

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2016/8/15 6:30
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バンダイナムコホールディングス傘下、バンダイの「たまごっち」が今年、誕生から20周年を迎える。手軽に持ち運べる電子玩具、キャラクターを育成する「育てゲー」の代表的存在として定着。過剰在庫で一時生産中止になるなどの苦難を乗り越えて、スマートフォン(スマホ)ゲーム全盛の今も人気商品として成長を続けている。ロングセラーの秘密を探った。

■親子2世代から支持

「たまごっちデパート原宿」で新製品を手に取る女の子(東京都渋谷区)

「たまごっちデパート原宿」で新製品を手に取る女の子(東京都渋谷区)

7月、東京都渋谷区のたまごっちグッズ専門店「たまごっちデパート原宿」はにぎわっていた。子供とともに訪れていた30代の母親は「私も初代たまごっちで遊んでいた」と懐かしそう。別の小学校2年生の女児は「好きなキャラはラブリっち」と笑顔で話す。マレーシアから来た女性2人組の観光客は「友達に頼まれた」と、新作を4個バスケットに入れていた。

最近は海外人気俳優のオーランド・ブルームさんと交際相手の歌手、ケイティ・ペリーさんがおそろいの白いたまごっちを身につけてファッションイベントに登場。誕生から20周年を迎え、親子2世代から愛され、国際的に支持される定番商品となった。

バンダイは近年のたまごっちの販売動向について詳細な実績を明らかにしていないが、決算関連資料の数字を足していくと、2012年3月期時点での累計販売個数は約7860万個。今年3月時点での累計販売個数が「8100万個超」であるから、直近の4年も平均で年60万個以上が売れている計算になる。

安定のロングセラーの地位を、どのように築いたのか。大成功と急ブレーキを経て、新機能の追加と話題づくりで消費者を飽きさせない「勝利の方程式」を確立したことが大きい。今年7月に発売した新作では、09年に取りやめていた「キャラクターが死ぬ」機能が復活したと話題になった。

「育て方によって性格や姿が変わる卵形の携帯ペット」――そんな紹介文とともにバンダイがたまごっちを税別1980円で発売したのは96年の11月。バンダイ出身者が創業したウィズとの共同企画商品で、店頭に並ぶ端から売り切れる一大ブームとなった。

電子ペットでありながらゲーム上で食事を与える必要があるなど、あえて実際の生き物に近い面倒くささを設けた点がうけた。世話を怠ると「死」を迎えるのも画期的だった。多くの人々が感情移入するようになった。

海外でも人気となり、発売から約2年半で累計4000万個を販売。一時は生産が追いつかない状況が続いた。男児向けに育成ゲームに「戦わせる」要素を足して企画された「デジモン」もヒットするなど、ほかの展開にも影響を与えた。

爆発的なヒットは家庭用ゲーム機器「ピピンアットマーク」の失敗に苦しんでいたバンダイの業績に貢献したが、ブームが収束すると一転して重荷となった。99年3月期には過剰在庫の処分で60億円を計上して姿を消した。

とはいえ、一時は社会現象になった商品。02年ごろから復活の準備に取りかかり、04年の新しい「たまごっちプラス」シリーズ発売にこぎ着けた。

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