米国投資、ETFで身近に ウィズダムツリー渡辺氏

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2016/8/12 5:30
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米国景気の先行きに明るさが広がり、米国株式市場は過去最高水準で推移している。しかし、実際に米国株を購入することには二の足を踏む投資家も少なくないだろう。米国の投資事情に詳しいウィズダムツリー・ジャパン(東京・千代田)の渡辺雅史ETFストラテジストに、米国株への投資方法と注意すべきポイントを聞いた。

■「母国バイアス」で機会損失

――海外の株式や債券に投資する利点はなんでしょう。

渡辺雅史 ウィズダムツリー・ジャパンETFストラテジスト
1979年生まれ。アクセンチュアで金融機関向けコンサルタント、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)でポートフォリオマネジャーとして勤務し、金融ベンチャーをへて2016年から現職。

渡辺雅史 ウィズダムツリー・ジャパンETFストラテジスト
1979年生まれ。アクセンチュアで金融機関向けコンサルタント、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)でポートフォリオマネジャーとして勤務し、金融ベンチャーをへて2016年から現職。

「万国共通の傾向として投資家には『ホームカントリー・バイアス』がかかりやすい。日本人投資家の金融資産は日本株など自国に偏りがちだ。日本企業が海外に進出し、日本市場に外国企業が参入するのが当たり前の時代。海外の市場や企業に投資しないのは機会損失だ。海外に目を転じることでリスクを分散できる。海外に投資できる環境にあるのならチャレンジすべきだろう」

「海外の金融商品に投資する際の障害になっている2つのコストがある。1つ目は(個別企業などの)情報を取得するコストで、2つ目は海外株式を売買するための口座を開くといった取引コストだ。いずれも国内に投資するよりお金がかかる。これらを同時に解決するのがインデックス(指数)に連動した上場投資信託(ETF)だ。例えば、アップル1社だけの株式を購入するリスクは大きいし、投資信託を購入するにはまとまったお金がいる。ETFなら個人でも数千円単位から投資できる。ネット証券各社で口座を開けば、ETFも国内同様に手数料が安くなっている」

■「配当」と「債券」に注目

――米国の株式市場では7月以降、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数が過去最高値を更新しました。どのような指数に注目していますか。

「国内で日経平均株価東証株価指数(TOPIX)が注目されるのと同様、米国株式市場全体の動向を把握し、他国と比較するにはダウとS&P500を見ていればいい。さらに独自の基準で選んだ銘柄で市場連動(ベータ)より賢く(スマート)運用するスマートベータ指数に注目している。配当や利益水準、自己資本利益率(ROE)の高さといった『利益の質』などにテーマを絞った指数だ。米国でも金利は低いので、配当利回りの高い株が注目されている。配当利回りの高い企業を集めた指数や、配当額で加重した銘柄群で構成する指数と連動するETFが存在する」

「債券指数も重要だ。債券市場全体の動向を確認するには金利を見るのも手だが、(指数と連動した)ETFの値動きを観察する方法もある。例えば、米国債と低格付け債(ハイイールド債)の市場の動きは異なる。債券利回りが低下すると、ハイイールド債を買っていた投資家が株式市場にも入ってくる。債券投資家の傾向としては定期収入がほしいので高配当株のETFの売れ行きが好調になってくる。債券にも着目することで、株式市場をみているだけではわからないお金の流れを把握できる」

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