解説者の目(田中和仁)

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体操ニッポン、バトンつないでつかんだ「金」

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2016/8/9 17:25
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ミスが相次ぎ、4位に終わった予選からよくぞ立て直したと思う。日本は予選で犯したミスをそれぞれが中1日で修正。勝負の決勝で自分たちの演技をやりきった。

鮮やかな復調の背景には、銀メダルに終わった前回の五輪を知る選手が、メンバー5人中4人いたことが大きかっただろう。4年前の悔しさを二度と味わいたくないという気持ちを最も前面に出していたのが内村航平(コナミスポーツ)だった。

周囲を奮い立たせようと内村はガッツポーズを見せた=写真 柏原敬樹

周囲を奮い立たせようと内村はガッツポーズを見せた=写真 柏原敬樹

主将の責任感、大きなガッツポーズに

第1種目のあん馬で最初に演技し、ミスなく終えると、大きなガッツポーズを繰り出した。予選の失敗の影をまだ振り払いきれないチームを盛り上げ、勢いを出そうという主将の責任感。周囲を奮い立たせようとするしぐさは、その後もたびたび見せていた。

内村に続いて演技した山室光史(同)は落下したが、続く加藤凌平(同)は安定感のある内容。3人の合計では43.933点と大きくつまずかなかったことが次につながった。

日本は続くつり輪で予選を0.466点上回る「貯金」をつくる。流れをつかむ上で大きかったのが、3種目目の跳馬の第3演技者、白井健三(日体大)だった。

着地が1歩乱れた予選のミスを修正。伸身ユルチェンコ3回ひねりのフィニッシュをぴたりと決めた。15.633の高得点。たまたまうまくいったという偶発的な演技ではなく、自分で体をコントロールして狙い通り決めた、完璧な着地だった。

直後の平行棒でも、田中佑典(コナミスポーツ)が体の姿勢が乱れた予選の失敗を繰り返さない。予選を2点強上回る15.9の高得点をたたき出した。

取るべき種目で取るべき人が取るというのは、団体では非常に重い意味を持つ。対照的だったのが予選1位通過のライバル中国だ。

各種目で小さいミスが出たのも響いたが、痛恨だったのは得意のつり輪での失敗だった。得点源となる最後の選手が着地で動いてしまい、14.8点にとどまった。追い上げなければいけない場面だっただけに、他の選手は心理的な打撃を受けただろう。

5種目目の鉄棒でトップ、余裕生む

金メダルを獲得し日の丸を掲げて喜ぶ内村ら

金メダルを獲得し日の丸を掲げて喜ぶ内村ら

日本は5種目目の鉄棒でロシアを抜いてトップに立ったことが大きかった。精神的に余裕を持って臨んだ最後の床運動では、最初の白井が16.133の高得点。最後は内村が締め、危なげない逃げ切りだった。

戦略も当たった。予選で4位に終わり、決勝の演技順は想定から大きく外れた。特に、鉄棒と床運動という体力を消耗する2種目を、加藤と内村の2人が短時間で演じるのは不安だった。

対策として、加藤と内村を鉄棒で1、2番目に、床運動で2、3番目に置き、両種目間の間隔を少しでも長く空けた。床運動の2人の演技を見れば、この工夫が当たったことになる。

勝負のアヤは他にもあった。この五輪は会場の雰囲気が非常に特徴的。開催国ブラジルの演技になると耳をつんざく大音響なのに、他国の演技では静まりかえる。「ゼロか100か」という極端な声援。ブラジルが高得点を出したときの大歓声は、周りで演技している選手の耳に嫌でも入る。

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