2019年7月24日(水)

フルスイングの余韻(山崎武司)

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ハイレベルな筒香と山田、白熱のセ界本塁打王争い

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2016/8/7 6:30
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セ・リーグの打撃タイトル争いがにわかに熱を帯びてきた。一時はヤクルト・山田哲人が主要部門を独占するかにみえたが、7月に減速。追う側のペースアップもあって混戦模様となってきた。中でも熱いのがホームラン王争いだ。7月にDeNAの筒香嘉智が16本を量産して4本に終わった山田を一気に抜いた。右の山田に左の筒香。三冠王も狙える2人によるハイレベルな争いは面白い。

月間MVPにも輝いた7月の筒香はすごかった。打率4割2分9厘、16本塁打、31打点。ヤクルトのバレンティンは60発で日本記録を塗り替えた2013年の8月に18本塁打を放っているが、筒香の16本塁打はそれに次ぐ量産記録。オールスターでの2本も加えれば、同じ規模の大爆発だったということになる。7月終了時点で32本塁打だから、それまでの3カ月余りの分を1カ月で打ってしまったわけだ。

天才打者に長距離砲の引き出しも

筒香は打者としてのステージがひとつ上がったようにみえる=共同

筒香は打者としてのステージがひとつ上がったようにみえる=共同

筒香は長距離砲ではないと僕は考えていた。高い放物線を描く弾道が長距離砲の特徴だ。以前なら田淵幸一さん、現役では西武の中村剛也やメヒアを思い浮かべてもらえばいい。かたや筒香は弾丸ライナー系。パワーがあるから当たればスタンドまで届くが、カテゴリーとしては長距離というより打率も残せる中距離打者で、松井秀喜に似たタイプとみていた。

ところが最近の筒香は捕手寄りの軸足に体重を残したまま、長距離砲のようなホームランを打っている。これはアベレージ型から長距離タイプに変わったということではなく、天才打者の引き出しが一つ増えたということ。打者としてのステージが一つ上がった印象を受けるのだ。今年の筒香はタイミングを取るときの右足の上げ方を小さくするなど、春季キャンプからフォーム改造に取り組んでいた。シーズン序盤は新しいフォームがなじまなかったり、右脇腹の肉離れもあったりでやや苦戦していたが、ここにきてイメージと現実がかみ合ってきたようだ。

好調ぶりはボールの待ち方からも見て取れる。普通、打者は直球にタイミングを合わせて変化球にも対応する。ところが最近の筒香は変化球にタイミングを合わせつつ、直球にも対応できてしまう。僕にも覚えがあるが、これができるのはメチャクチャ調子がいい証拠。心技体が充実した貴重な期間にこういうことがある。

ただ、絶好調がずっと続くということはない。打撃には波があり、いつかは崩れてくるものだ。もっともよくある原因は体の疲れ。特に夏場は体調の維持が大切になる。疲れを蓄積しないためには、よく寝ることに尽きる。マッサージなどもあるが、何をおいても寝ることだ。冷房を何度に設定すればいい、などというマニュアルがあるわけではない。快眠のノウハウは自分で探し当てるしかない。筒香の今後はこのあたりの自己管理にも懸かってくるだろう。

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