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リオ五輪も配信、スポーツ観戦「VR革命」が始動
渡辺史敏 ジャーナリスト

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2016/8/8 6:30
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日経テクノロジーオンライン

 「バーチャルリアリティー(VR:仮想現実)元年」――。2016年に入り、米Facebook(フェイスブック)傘下にあるOculus VR(オキュラスVR)が3月にヘッドマウントディスプレー(HMD)「Oculus Rift」の出荷を開始し、ソニーも10月にHMD「Playstation VR」の発売を予定するなど、VRが普及へと一歩踏み出す年になりそうだ。そんな「VRブーム」は、ゲームの世界だけでなくスポーツ界にも着実に及んでいる。

 連日、熱戦が繰り広げられているリオデジャネイロ五輪。今回はVR映像が配信される史上初の五輪となった。

 米国でのテレビ放送権を持つ4大テレビネットワークの1つであるNBCは、開会式から閉会式まで1日1競技、計85時間の映像をVR配信している。VR映像はオリンピック放送機構(OBS)が制作し、陸上競技や体操、バレーボールなどのハイライト映像が撮影日より1日遅れのタイミングで配信されている。

 今回対象となる機器は、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)のスマートフォン(スマホ)を着用して使うHMD「Gear VR」のみで、NBCの有料視聴契約者向け動画視聴アプリ「NBC Sports TV Everywhere app」を通じてでしかVRコンテンツセクションにアクセスできない。

 つまり、米国でも視聴者はかなり限定されるうえ、残念ながら日本からの視聴は難しい。それでも、スポーツ観戦に新たな体験をもたらすVRに初めて乗り出した五輪として歴史に刻まれることは間違いない。

■NFLでVRアトラクション

NFL Experienceに設けられたVRアトラクションを体験している様子。写真のHMDは「Gear VR」だがmJaunt VRのロゴが入っている((C)NFL JAPAN. All Rights Reserved.PHOTO BY AP Image)
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NFL Experienceに設けられたVRアトラクションを体験している様子。写真のHMDは「Gear VR」だがmJaunt VRのロゴが入っている((C)NFL JAPAN. All Rights Reserved.PHOTO BY AP Image)

 VRとスポーツの相性は抜群だ。観戦時にゴーグル型のHMDを装着することで、360度全方向が仮想現実の世界に没入できる。観戦者が家にいたとしても、あたかもスタジアムやフィールド内にいるかのような臨場感、そしてこれまでのスポーツ放送では見たことがないような視点での映像を体験できる。

 筆者がスポーツ界におけるVRブームを改めて実感したのは、2016年2月に米国シリコンバレーで開催されたプロアメリカンフットボールNFLの優勝決定戦「第50回スーパーボウル」である。

 ゲーム開催までの8日間、サンフランシスコ市のダウンタウンにある国際展示場に設けられたNFLのテーマパーク「NFL Experience」には“NFL Virtual Reality”と名付けられたVR体験ブースが設けられ、毎日多くの入場者が詰めかける人気アトラクションとなった。

 このアトラクションはVR技術企業の米NextVRと米Jaunt VRが出展したもの。NextVRは2015年のNFLシーズン中、ニューヨーク・ジェッツ対テネシー・タイタンズやボルチモア・レイブンズ対ピッツバーグ・スティーラーズ戦など3試合を撮影し、360度見渡せるVR映像を作成した。

 Jaunt VRも独自に撮影し、会場ではサムスン電子のGear VRを使って、VR映像を体験できるようにしていた。実際に視聴してみたが、試合前のセレモニーや試合をフィールド上で体験しているような感覚が得られ、なかなかの迫力だった。

■クォーターバック視点でゲーム体験

 今年のスーパーボウルにおけるVRアトラクションはこれだけではなかった。ドイツのIT(情報技術)大手企業SAPは、サンフランシスコのダウンタウンの一部を閉鎖して開催された屋外イベント「Super Bowl City」の自社ブース内で“Quarterback Challenge”というVR体験アトラクションを設置した。こちらは、アメリカンフットボールの攻撃の司令塔であるクォーターバック(QB)の視点でCG(コンピューターグラフィックス)のフットボールを体験できるというものだ。

SAPが「Super Bowl City」の自社ブース内に設置した、“Quarterback Challenge”というVR体験アトラクション。QBの視点でCGのフットボールを体験できる(画像:SAP)
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SAPが「Super Bowl City」の自社ブース内に設置した、“Quarterback Challenge”というVR体験アトラクション。QBの視点でCGのフットボールを体験できる(画像:SAP)

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