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五輪ボクシング「金」の村田、世界戦へ正念場
スポーツライター 杉浦大介

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2016/8/1 6:30
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ロンドン五輪のボクシング男子ミドル級金メダリスト、村田諒太(帝拳)が、プロ転向後も世界への階段を少しずつ上がっている。7月23日、米ラスベガスで行われたノンタイトル戦でも1回TKO勝ちで、これでデビュー以来11連勝(8KO)。世界ランキングでも上位に入り、世界タイトルマッチを視界にとらえている。しかし、属するのは世界的に層の厚いミドル級だけに、挑戦機会を手に入れるのも容易ではない。30歳になった金メダリストは、プロでも世界の頂点に立てるのか。

2度目のラスベガス、あっけない勝利

1回1分52秒――。村田にとってラスベガスでの2度目のファイトは、あっけないほどの早さで幕を閉じた。右ストレートから返しの左ボディーで最初のダウンを奪うと、その後に左右の連打でジョージ・タドニッパ(米国)を追い詰める。村田の攻勢に防戦一方の相手を見て、レフェリーがストップをかけた。

「ガードを上げて、プレッシャーをかけて、相手にボクシングをさせないっていう気持ちだった。1ラウンド目は様子見のつもりだったんです。予定外に(早く)終わったというのが本当のところです」

試合後に村田本人もそう語ったが、格下のタドニッパは大舞台での対戦相手としては物足りない感は否めなかった。この日まで42戦34勝(24KO)3敗3分け1無効試合1無判定試合という37歳のベテラン。前日計量時の身体にも緩みが見えただけに、序盤KOは予想できない結果ではなかった。ただ、たとえそうだとしても、この日の村田のボクシングには力強さが感じられたのも事実である。

「パンチ(に体重が)がしっかり乗るバランスをつかんだっていう感じですね。特に11月の試合はパンチが軽かった」

本人のコメントからも手応えが見て取れた。昨年11月のラスベガス初陣では、こちらも無名のガナー・ジャクソン(ニュージーランド)にやや手を焼いた上での判定勝ち。その時と比べて、タドニッパ戦では吹っ切れたような思い切りの良さがあった。

「村田は見違えるように良くなった」

この日の会場はMGMグランドガーデン・アリーナ。フロイド・メイウェザー、マイク・タイソン(ともに米国)、マニー・パッキャオ(フィリピン)といった現代の名ボクサーたちが主戦場とし、近年のボクシング界では"メッカ"と呼べる場所として確立されてきた。

まだ場内はガラガラの前座試合とはいえ、この伝統のアリーナで村田が結果を出した意味は小さくない。試合後、筆者の周囲でも、「村田は見違えるように良くなった」と感想を述べる地元メディアは少なくなかった。

「まずは勝てたことにほっとしてます。その上でもっと上の戦いを見ていきたいなという思いが強い」

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