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イチロー、3000安打の金字塔 その先に…
スポーツライター 丹羽政善

(2/3ページ)
2016/8/8 8:52
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妥協なき日常。

イチローの場合、試合前の準備一つにしても妥協がない。それはたとえ、代打中心の役割となった今でも変わらない。昨年の6月に言った。

「1打席のために朝から、もっと言えば、前の日のゲームが終わったときから、僕は(準備を)やる」

これまでも、そしてこれからもずっと、ストイックに。

球史に歴史を刻み続けるイチローの年俸の推移

球史に歴史を刻み続けるイチローの年俸の推移

「人の行動見て自分に生かす」

「生活自体、どこへ行ってもあんまり変わらない。球場と家を往復するだけ。24時間、きっちり野球のために使ってますから。家にマシンを置くスペースがあるかとか、そういうことは変わるけれども、どこに行っても生活は変わらない」

では、そうした妥協なき日常にイチローを駆り立てる原動力はなにか。

日米通算3000安打を打った8年前に聞いたことがある。すると、せきを切ったように語りだした。

「僕が何かを自分のために生かすことというのは、人のことを見て、学ぶことが多いんですよね。自分の中から何かを生み出していくことっていうのはあんまりない。人の行動を見ていると、すごく気になることがたくさん見えてきて、それを自分に生かすというやり方で、まぁ、ずっと、すごくいやらしいやりかたですけど、そうやって、今の自分があるような気がするんですよ。そうやっていくと、今の自分ができた、みたいな」

「その中から、自分の信じている物なんかが生まれてきて、それを生かしていく。で、急に、94年、210本打って、給料が10倍になったわけですよね。あのときから、自分に対する責任、自分が負っている責任というものを、考えるようになりましたね。まだ、給料が安いときっていうのは、そういうことを考えない。自分のことしか考えない。でも、自分の行動や発言によって、大きな影響が出る――ということを、あの年に自分で知ってしまったわけですよね。それからというのは、ようは、これを今人が見ていたら、許さないだろうな、という行動はなるべくしないようになっていきましたよね。で、人のことも見ながら、自分をつくってきた」

そうやって客観的に自分を見つめ、自分の行動規範を形成する手段は大リーグ移籍で、むしろ役立った。

「Wシリーズ勝たせたい」とボンズ

「そういうことを考えるようになったのは14年前。で、アメリカに来て、また想像していたものと違う世界があったわけです。いいことも悪いことも、アメリカではわかりやすい。特にはっきりと答えが出るので。それは僕にとっては、すごく助けになりましたね。『あっ、ああやってやらなければいいんだ』ということが、あまりにもたくさんあって。『こうした方がいい』というのは難しいですよ。答えが出ずらいんですよ。でも、明らかに、『それはまずいよね』という中には、はっきりとした答えがたくさんある」

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