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競泳・萩野公介の強さの秘密 元コーチ2人に聞く

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2016/8/7 10:47
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 リオデジャネイロ五輪の競泳男子400メートル個人メドレーで21歳の萩野公介(東洋大)が金メダルをつかんだ。バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の4泳法の総合力が問われる過酷な種目で五輪を制したのは日本人で初めて。学童期から規格外の速さで年代別の日本記録を連発してきた天才スイマーの原点とは。萩野のジュニア時代を知る栃木・みゆきがはらスイミングスクールコーチの前田覚さんと、小学校低学年の1年半、愛知県在住時に通っていたスイミングクラブ元コーチ、八木(旧姓・祖父江)未来さんの2人に聞いた。
スイミングスクールで指導する前田さん(左)

スイミングスクールで指導する前田さん(左)

前田覚さん(小学3年から高校3年まで指導)

――小学3年でスクールに入会してきた萩野選手の泳ぎを初めて見たときの印象は?

「一番驚いたのは背泳ぎ。水をかくときに肩が水面から出ていた。水面の上を肩が越えていると水の抵抗が少なくなるのと同時に、遠くに手を運べて水をしっかりとかける。普通は高校生とか、ある程度体ができてきて初めて肩が上がるようになる。ずっと水泳のコーチをやっているが、背泳ぎで肩が水の上に出て泳いでいる小学生なんて後にも先にも公介以外、見たことがない」

「水中ドルフィンキックのスピードがすごく速かった。10歳以下の子だと苦しくて制限15メートルの半分も潜れず、7メートルくらいで出てきてしまう。それが、公介は15メートルぎりぎりまでいかにも苦しくないように潜り、それを何往復もササッとやっていた。水面から出て、泳ぎ始めた後もスピードが落ちない。ただ者ではないと思ったのが第一印象だった」

――そういう大器を指導することになり、どんな心境だったか。

「ここまでの逸材に育てた愛知の祖父江先生から、こんな宝物を預かって伸ばせなかったらどうしようというプレッシャーがあった。水泳を嫌いにさせないことを一番に心がけた。指導では必ず本人に『私はこう思うけれど、どうだい?』と問いかけながら、こちらが合わせていく感じにした。公介が『コーチ、これはしっくりこない』と言えば、『じゃあ、やめよう』と。天才というのは人と違うことができたり、ほかの選手がまねできなかったりするものを持っていると思う。そういう感性を崩してはいけないと思った」

パワーより効率的に水つかむ推進力

「自由形と背泳ぎで将来世界のトップを取れるという感じを受けていたが、本人は個人メドレーが好きだったので、絞らずに4泳法をやらせた。自由形も腕の運び、水を逃がさないキャッチ、フィニッシュまで無駄がなかった。小学生のときからタイムが出ないと『腕に水がかかっていない気がする』と言っていたので、キャッチをかなり意識していたと思う」

――水を逃さないキャッチができるのは腕力が強いからか。

「驚くかもしれないが、実は小学生時代、腕立て伏せが2~3回しかできなかった。でも、当時から規格外に速かったから腕力は関係ないと思う。パワーというよりも、効率的に水をつかんで推進力にする感覚が天才的だった。キックも同様で、脚でも水を逃がさなかった」

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