2019年6月20日(木)

日本女子ツアー、世界のトップを目指せ
ゴルフライター 嶋崎平人

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2016/7/27 6:30
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開幕が間近となったリオデジャネイロ五輪だが、世界の男子ツアーのトップ選手の辞退が相次いだ。ゴルフの世界ランキング首位に立つJ・デー(オーストラリア)、D・ジョンソン、J・スピース(ともに米国)、R・マキロイ(英国)、いち早く表明したA・スコット(オーストラリア)、そして日本の松山英樹。辞退の理由はジカ熱、治安への懸念等である。四大メジャーがある男子ゴルフ界にとって、オリンピックの価値は低いということであろう。

賞金ランク1位のイ・ボミをはじめ、女子ツアーの選手はギャラリーへの対応も素晴らしい

賞金ランク1位のイ・ボミをはじめ、女子ツアーの選手はギャラリーへの対応も素晴らしい

宮里藍が女子ツアー人気のきっかけに

一方、女子は世界ランクの上位者が出場する。ジカ熱、治安への懸念は女性のほうが大きいと思うが、国や地域を代表するオリンピックの価値を高く見ていることにほかならない。米国の女子ツアーの人気は男子に比べて低いだけに、グローバルで注目されるオリンピックにかける気持ちが強いのだろう。男子と女子との間にあるこれだけの違い……。そこでふと思う。ツアーを取り巻く人気という側面を考えれば、男女の違いは米国に限ったわけではないと。日本では女子ツアーが盛況だが、なぜ人気なのだろう。

現在の日本女子ツアー人気のきっかけは、2003年9月、当時、宮城・東北高3年だった宮里藍がミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでツアー初優勝を果たしたことに始まる。アマチュアの優勝は、1973年の清元登子以来30年ぶりで、史上2人目だった。現在に続く女子ツアー人気の始まりである。

宮里藍はプロに転向した翌年の04年は年間5勝した。その活躍に刺激されたように、同世代の横峯さくら、諸見里しのぶら若手が次々と登場した。華やかで若い女子プロの活躍で、ツアーが活気づき注目を浴びた。試合数も03年には30試合だったが、16年は38試合に増加し、賞金総額は35億2000万円と4年連続で過去最高を更新した。国内男子ツアーの低迷ぶりとは好対照である。

宮里藍の活躍が、現在に続く女子ツアー人気の始まりだった=共同

宮里藍の活躍が、現在に続く女子ツアー人気の始まりだった=共同

見過ごせないスポンサー側のメリット

しかし、人気があるといっても、ツアーを主催する企業・スポンサーが集まらなければ大会を開催し、継続することはできない。企業にとっては費用対効果が重要になってくる。まず、賞金総額がスポンサーにとっては明確な目安となる。昨年の日本女子ツアーの試合数は37試合で賞金総額は33億7000万円。男子ツアーは25試合で約33億1000万円。1試合当たりの平均賞金総額を計算してみると女子が9108万円。男子が1億3240万円で、女子の方が割安だ。テレビの視聴率をみてみると、日本ゴルフトーナメント振興協会(GTPA)のまとめでは、昨年の関東地区の平均視聴率(日曜日)は女子が5.9%。男子が5.1%。女子の方が費用対効果は高いといえる。

また、スポンサーにとっての見過ごせないメリットとしてプロ・アマ戦の開催が指摘される。女子ツアーのホスピタリティーは高く、ギャラリーへの対応も素晴らしい。サインはもちろん、トップ選手でも笑顔で応援にこたえ、ファンの心をつかんでいる。プロ・アマ競技は、主催者にとって、大事なお客様とのコミュニケーションの場であるが、日本女子プロゴルフ協会では樋口久子前会長時代から「主催者あってのトーナメント」という姿勢を強く打ち出している。

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