Jリーグ、世界のファンに見てもらうために

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2016/7/22 6:30
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Jリーグは100を超える国々にスポーツコンテンツを配信している世界最大級の動画配信サービス企業、パフォームグループ(本社・英国)と2017年から10年間の放映権契約を結んだ。契約額が10年総額で2100億円を超える大型契約になり、ポジティブな意味で身の引き締まる思いがする。

熊本地震後、本拠地で試合に臨んだJ2熊本。今後は全試合をインターネット配信する=共同

熊本地震後、本拠地で試合に臨んだJ2熊本。今後は全試合をインターネット配信する=共同

試合はいつでも、どこでも、何度でも

来季からはパフォームが提供するサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を通じて、明治安田生命J1リーグ、J2リーグ、J3リーグの全試合を生でインターネット上で生中継する。

このサービスにより、スマートフォン(スマホ)、タブレット、ゲーム機やパソコンなど様々なデバイスを使って、いつでも、どこでも、何度でも手軽に試合を見ることができるようになる。

もちろんスマホから飛ばせばテレビも受像機になるのだが、サッカーがお茶の間から街へ出て行くというイメージだと思う。言ってみれば、パフォームは日本に新たなスポーツ観戦文化をもたらしてくれる。料金設定はこれからだが、比較的安価に視聴が可能になる見込みだ。

また、JリーグとパフォームはNTTグループと提携し、J1を中心に全国のホームスタジアムのWiFi(ワイファイ)環境の整備を進めていく。それによってスタジアムでの視聴環境の向上が望める。

サッカーの放映権といえば、テレビ局に販売するのがこれまでの常識で、インターネット事業者が主たる放映権ホルダーになるのは世界のサッカーリーグで初めてのこと。Jリーグがパフォームと組んでどんな事業を展開していくのか、その試みは世界的に注目されることになると思う。

なぜ、Jリーグがパートナーとしてパフォームを選択したのか。その説明をする前に、Jリーグが置かれている環境を振り返る必要がある

近年、Jリーグは「関心度の低下」「入場者数の減少」「クラブ、リーグの収益悪化」という問題を抱えてきた。

08年と12年のJリーグに対する関心度を比較すると、たとえば10代男子は42.7%から31.1%、20代男子は51.9%から37.9%、40代男子は49.5%から34.9%へと激しく落ち込んだ。

パフォームグループとの契約に身が引き締まる思いだ(中央が村井チェアマン)=共同

パフォームグループとの契約に身が引き締まる思いだ(中央が村井チェアマン)=共同

続く収益減…何か手を打たないと

試合の全国放送は12年~14年はそれぞれ7本に減り、平均視聴率は13、14年は3.0%に落ちた。

その影響でリーグの収益減が続き、何か手を打たないと14年度に13億円の大幅減となる窮地に陥った。当然、将来に向けた思い切った投資はできなかった。

15年から大会方式を2ステージ制に変更し、明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ(CS)を新設したのは負のスパイラルから脱するためだった。

その成果は表れ、15年のCSの生中継のテレビ視聴率(関東平均)は第1戦(TBS系列)が7.6%、第2戦(NHK総合)は10.4%を獲得した。しかし、それで満足し、足を止めてはいられない。

Jリーグとしては、リーグのブランド力の向上→クラブ・リーグの収益力アップ→チームの強化・育成への投資強化→有力選手の育成→有力選手の国内での活躍→Jリーガー中心の日本代表チーム編成→Jリーグのブランド力向上という循環をつくりたい。その取っ掛かりとして露出の拡大が不可欠だと思う。

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