2018年9月26日(水)

ファストフード各社、店作りは「脱・ファスト化」

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2016/7/22 6:30
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 「はやい、やすい、うまい」が代名詞のファストフード店。商品提供を1秒でも縮め、大量の来店客を受け入れて利益を積み上げていくのがファストフードの大原則だ。顧客もその手軽さに引かれ、短時間で食事を済ませて出ていくのが通例。だが、最近はゆっくりと顧客に店内でくつろいでもらう店作りを目指す動きが出始めた。「脱・ファストフード化」の背景には何があるのか。

バル風の店内にして、居心地を改善したケンタッキー・フライド・チキン高田馬場店(東京・新宿)

バル風の店内にして、居心地を改善したケンタッキー・フライド・チキン高田馬場店(東京・新宿)

■客席数を68から42に削減

 7月平日の夜8時。JR高田馬場駅の駅前にあるケンタッキー・フライド・チキン高田馬場店(東京・新宿)の店内は20~30代の若い男女の客でにぎわっていた。店内はほぼ満席。女性同士のグループのほかにも1人で来店する会社帰りのサラリーマンの姿もちらほら。テークアウト客が中心のケンタッキーにとって、夜に店内席がほぼ満席になるのは珍しい光景だ。

 同店は4月に既存店を改装して出した新業態「KFC+カフェ&バル」。客数が落ち込む夜の時間帯を強化する狙いで、これまでの店作りを根本から見直した実験店だ。従来のファストフード店にありがちな狭い客席が隙間なく詰め込まれた印象はなく、客席の間隔も比較的広い。一部にはソファ席も用意されている。改装前には68席あった客席を42席に削減。その分をゆとりある店内作りに生かした。20~30代の若い女性を主要顧客層に想定する。

 メニューも既存店とは大きく異なり、つまみ類やビールなどのアルコール類を充実させた。海外のクラフトビールに加え、フライドチキンとの相性がよい味わいに仕上げたオリジナルのハイボール「カーネルハイ」(460円)も用意する。

 こうしたアルコール類を午後5時以降から提供し、夜は飲酒目的の客でにぎわうバルに切り替わる仕組みだ。サービス形態もファストフードらしいセルフサービス方式ではなく、テーブルまで商品を届ける方式を採用。顧客が落ちついて食事を楽しめるように配慮した。

 顧客の利用の仕方も様変わりした。従来はテークアウトと店内飲食の売上比率は7対3だったが、改装後は店内飲食の客が増加した結果、4対6に逆転した。「女性の団体客が2次会の場として利用するため、午後8時以降の予約が多い。我々の想定外の使われ方をしている」(日本ケンタッキー・フライド・チキン新規事業部の大竹彩子氏)という。売り上げも改装後は5割増と好調だ。さっと食事を済ませる場所から、顧客がくつろいで食事を楽しむ場所への転換で新たな客層を取り込んでいる。

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