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米マイナーでプレーの異色監督見参 岡山県津山高
スポーツライター 丹羽政善

(3/3ページ)
2016/7/16 6:30
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日本では小さな頃から、指導されることが当たり前である。あれをしなさい、これをしなさい。むしろ、言われたことをやる方が楽だ。が、それに慣れきると、考える事をしなくなる。それではいけないのではないか。ダルビッシュはそういう日本的な指導の弊害を度々、直接的、間接的に口にするが、浮田監督としても、やはり米国の野球を見た経験からか、考えさせることに主眼を置いている。

「大リーグって、よく選手ミーティングをするじゃないですか。うちも選手だけでミーティングをさせます。考えさせたいんですね」

かつて取材したイチローの言葉を引用、ダメ出しではなく、選手に改善策を話し合わせる(浮田監督提供)

かつて取材したイチローの言葉を引用、ダメ出しではなく、選手に改善策を話し合わせる(浮田監督提供)

例えば、試合でミスがあれば、選手同士で話をさせる。

「ダメ出しではなく、改善策を話し合わせるんです」

そこから何が生まれるか。それこそ、浮田監督が指導者として期待する部分だ。

「進学校なので一方的に答えを与えるより、自分達で生み出していく方がよいと考えます。結果としてそれが間違いであっても、そこで立ち止まって再考することで、さらに成長できると信じています。こちらからこうしろと指示を出すことも必要ですが、自分なりの正解を手に入れることも大事だと思います」

5年間取材したイチローの言葉で指導

自分たちに必要なものは何か。何をすべきか。自分たちで答えを出してほしい。

「勉強と同じで復習を大切にさせています。試合で失敗した部分をどう克服するか。指導者は会議や追試の監督等で平日は練習に出られないことも多いですから、選手に大ざっぱなメニューを指示し、どう取り組むかは任せています。復習は自分で考えて納得しなければ身につきません」

ときおり、5年間取材したイチローの言葉がよみがえる。

「イチロー選手の言う、『失敗の中にこそヒントがある』という考えは、まさに当てはまると思っています」

そのイチローの話を折に触れて口にするそうだ。

「試合前の準備がいかに大切か。イチロー選手はどうだったか、伝えることもあります」

浮田監督自身、野球経験は長くても、監督としては今夏が初陣だ。試行錯誤している部分もある。が、米野球界に触れ、南米の野球も体験して、日本の指導者にはない引き出しがある。その中で日本に適したものをいいとこ取りしながら、日本の高校野球と融合させていったとき、浮田監督はどんな采配をふるい、選手はどんな野球をするのか。

根付いたものを問うとしたら、16日の強豪・創志学園戦は、むしろうってつけだろう。

「(組み合わせ表を見て)いきなりかよ、とは思いましたけどね(笑)」

しかし、浮田監督はこう言葉を継ぐ。

「3年生が、これが最後だと思って、力を出してくれたら面白いと思います」

手応えありげだった。

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