2019年7月17日(水)

英原発事業、日立とタッグ 日本原電社長に聞く

2016/7/14 6:30
保存
共有
印刷
その他

原子力発電専業の日本原子力発電が事業の再構築を急いでいる。日立製作所の子会社が計画する英国の原発事業への参画で海外進出を本格的に開始し、国内では廃炉ビジネスの展開にも力を入れる。国内原発の稼働停止で収益が厳しい中、どう展望を開くのか。村松衛社長に聞いた。

日本原電の村松衛社長

日本原電の村松衛社長

――日立傘下の英ホライズン・ニュークリア・パワーが計画する原発に参画する理由は。

「ホライズンの原発は改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)で、当社が国内で手掛けてきたBWRの経験を生かせる。日立はメーカーとしての実績が豊富だが、原発を実際に運営した経験はなく、当社のノウハウが有効になる。すでにホライズンから国内の原発に視察に来てもらっており、人材育成でも協力できる。海外展開を進めるために適した事業だ」

――事業に出資する可能性はありますか。

「現段階で決まっているのは許認可の取得や建設コストの評価といった運転開始に向けた準備での協力だ。ホライズンの原発は2020年代前半から順次、運転を開始する予定。(出資の可否は)今後、検討する」

――かねて進めるとしてきた米国の電力会社との提携はどうですか。

「米電力大手のエクセロンと将来の提携に向けた協議を始めた。同社は米国で23基の原発を運営している米最大手だ。エクセロンの原発は稼働率が9割近くと非常に高い。運転やメンテナンスの技術力にすぐれており、同社と組んで海外展開を加速したい」

――具体的な地域はどうですか。

「現在、ベトナムやカザフスタン、トルコなどで原発導入を支援している。新興国の原発の安全規制や運転では、米国の基準が基本となることが多い。日本の原子炉メーカーも米国と協力している。将来、新興国で原発事業が具体化してきた際に、エクセロンと当社のノウハウを合わせて事業に参画できるよう今から協議を進める」

――停止中の東海第2(茨城県)、敦賀2号(福井県)の見通しは。

「東海第2は原子力規制委員会の審査が進んでいる。敦賀2号は規制委の有識者会合が活断層の存在の可能性を指摘したが、当社は活断層でないと確信している。データ収集と調査を拡充しており、再稼働に向けて全力で審査に対応する」

――廃炉ビジネスはどう進めますか。

「4月に米廃炉大手の米エナジーソリューションズ(ES)と協力協定を結んだ。まず当社の4人の社員を米国の廃炉の現場に派遣した。今後、当社が廃炉を進める敦賀1号(福井県)でESのノウハウが活用できるかを検証する。有効だと判断できれば、ESと提携して国内の電力会社の廃炉を支援するビジネスにも乗り出したい」

――17年度末に検討している持ち株会社化はどうなりますか。

「6月に事業本部制を導入し、東海と敦賀の各事業本部長にかなりの権限を委譲した。この状況も見ながら、持ち株会社の具体的な枠組みを検討していく。17年6月の株主総会で承認を得られるよう準備を進める」

(企業報道部 西岡貴司)

[日経産業新聞7月14日付]

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。