就活か否か 本音と建前のはざまで揺れるインターン

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2016/7/14 6:35
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2017年卒の就活が大詰めを迎えるさなか、18年卒の学生に向けたインターンシップ(就業体験)が幕をあけた。インターンは採用活動か否か。早めの人材確保に動きたい企業と、学業重視をとなえる大学・政府の間で議論が本格化する。本音と建前のはざまで揺れながらも、さまざまな工夫を凝らしたインターンが静かに始まった。

1800人の応募者から選ばれ、CEOインターンを受けている弘田百合子さん

1800人の応募者から選ばれ、CEOインターンを受けている弘田百合子さん

■CEOを体験、月給100万円

今年8~9月にかけて、3日間のインターン2コースを複数回用意しているのは、携帯電話最大手のNTTドコモだ。一つは総合職向けで、通信業界や企業のことを学んだり、新規ビジネスについて考えるグループワークを開いたりする「新ビジネス創造インターンシップ」。もう一つは技術者向けにプログラミングやデザインなどで学生チームを作り、アイデアを競い合う「ドコモハッカソン」だ。募集は総勢282人。「参加希望者は、去年よりも上回っている」(広報の今井康貴さん)という人気ぶりだ。

人材派遣大手のアデコが7月8日から開始したインターンは、1800人の応募に対し、選んだのは1人だけという狭き門だ。名称は、「CEO for One month」。同社の最高経営責任者(CEO)の業務を体験できる。1カ月間CEOとして仕事をして、事業計画を策定し、経営会議にも参加する。さらに月給100万円を受け取れる。

今年選ばれたのは、国際基督教大学教養学部3年の弘田百合子さん(20)。「将来何をしたいか決まっていないため、広い視野でビジネスを見渡してみたい」と抱負を語る。

両社とも、インターンは採用とは関係なく、「CSR(企業の社会的責任)の一環」(アデコの土屋恵子人事本部長)との立場を崩さない。現在は経団連が定める企業紹介の解禁日前に、インターンで得た学生の情報をもとに採用活動をすることは認められていないからだ。インターンを採用に直結させれば、学生の就活期間が長くなり学業との両立が難しくなる懸念があるとの考え方だ。

だが、そうは考えない企業もある。

荒井俊一さんは昨年8月に3日間のインターンを受け、来春サイバーエージェントに入社する

荒井俊一さんは昨年8月に3日間のインターンを受け、来春サイバーエージェントに入社する

■内定者の4割がインターン経由

荒井俊一さん(25)は現在、東京大学大学院で公共政策を研究する学生。来年の4月からサイバーエージェントで働く予定だ。昨年8月に3日間、同社インターンの「経営者育成コース」を受けた。サイバーエージェントは、インターンを採用に直結する活動と打ち出し、学生を呼び込むきっかけづくりにしている。約150人の内定者のうち、4割がインターン経験者で、今後この比率を高めていきたいという。

「選抜型」と呼ぶインターンの形態をとり、4000人の応募者から500人を選び、適性に合わせてコースに振り分ける。「エンジニア」、「広告」、「メディアサービス」など多岐にわたり、17年度は年間25コース、18年度は50コースに増やす予定だ。

荒井さんが参加したのは3日間と短期間のコースとはいえ、その内容は実践的だ。与えられたテーマは「06年にサイバーエージェントと博報堂が設立するも業績が伸びず、12年にサイバーエージェントが吸収合併した子会社が、どうすれば独り立ちできていたか」だ。荒井さんはインターンを通じて「社員も参加していた学生も、能力やバックグラウンド、個性が千差万別で魅力的だった」と話す。

早期内定のトリセツ 就活探偵団が突撃取材

著者 :
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,188円 (税込み)

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