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宅配便装うメールにご用心 ヤマトなど対応に苦慮

宅配便会社を装った不審なメールが相次いでいる。6月末からヤマト運輸の名をかたってコンピューターウイルスを送りつける手口が急増しており、同社には1000件を超える問い合わせが寄せられた。佐川急便でも個人情報を盗み出そうとする不審メールが頻発する。両社は消費者に注意を呼び掛けているが、被害を防ぐ決め手はなく、対応に苦慮している。

ヤマト運輸をかたる不審メールは6月29日未明から急増した。宅配便の配達予定日時を知らせるメールを装っており、添付ファイルにコンピューターウイルスが埋め込まれている。あやまって添付ファイルを開くと、ネットバンキングのIDとパスワードが盗まれる恐れがあるという。

手口が巧妙なのは差出人のメールアドレスが、ヤマト運輸が正規に利用しているアドレスを装っており、不審メールと気づきにくい点だ。これまでも不審メールはあったが「アドレスを偽装するのは初めて」(同社)。配達予定日時を知らせる正規のメールにはファイルは添付されておらず、同社は「添付ファイルがあったら絶対に開かないでほしい」としている。

佐川急便では6月に宅配便の不在通知を装った不審メールが目立ってきた。メールには宅配便を配達したが不在だったという趣旨と、再配達を申し込むサイトにアクセスするためのURLが記されている。サイトは氏名や住所を記入する体裁になっていることが多く、個人情報を盗み出す狙いがあるとみられる。不審メールには様々なパターンがあり、佐川は自社サイトに10種類を例示して注意を促している。

今月6日には国土交通省が宅配便の再配達にからむ詐欺未遂があったと報告した。国交省職員を名乗る不審者が5日に岐阜県の住宅を訪ね「宅配便の再配達を依頼する際に料金が発生するようになる」として10万円を請求したという。国交省は宅配便の再配達の削減に取り組んでいるが、「一般家庭に金品を要求することは一切ない」として注意を呼び掛ける。

宅配便の取扱個数は2014年度に36億個を超え、1日に平均約1000万個の荷物がやり取りされるようになった。宅配便を名乗る不審メールや詐欺が増えてきたのは、生活に欠かせないインフラに定着した証しと言える。完全な対策は難しいが、事業者にも消費者の被害を防ぐ取り組みが求められる。

(企業報道部 村松洋兵)

[日経産業新聞7月11日付]

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