2019年2月16日(土)

英会話教育ロボ、今秋上陸 米VBが日本に照準

2016/7/8 6:30
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米国の人工知能(AI)開発ベンチャーのAKA(カリフォルニア州サンタモニカ)は、同社が手がけた初めての商品となる英会話教育ロボットの販売先に日本市場を選んだ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて英語熱が高まっていることに着目した。会話の内容を記憶し情報検索機能を持つロボットとの会話を通して、自然な英語力が身につくという。

アニメのキャラクターのような英会話教育ロボット「MUSIO」

アニメのキャラクターのような英会話教育ロボット「MUSIO」

猫のような耳を持ち、アニメのキャラクターのような白いロボット「MUSIO(ミュージオ)」は、友達と話しているように英会話を練習するために開発された。「一番好きな動物は何ですか?」「日本の人口はどれくらいですか?」といった質問を重ね、利用者との会話を記憶する。MUSIOは会話を通して、好きな食べ物や趣味、家族構成などを覚えていく。

インターネットにもつながるため情報検索機能も持ち、「米国の大統領は?」といった質問も検索して英語で答える。データが蓄積されればされるほど賢くなり、会話の内容も洗練されていく。従来のように答えが用意された教材ではなく、その場の会話に基づく学習となるため、より自然な英語力が身につくという。

ロボットだが、表情も豊かだ。怒りや喜び、悲しみなど8種類の感情を持ち、目で感情を表す。「MUSIOの悪口をいうと怒ったり悲しんだりするし、会話の内容次第で性格も変わっていく」(チーフ・ストラテジー・オフィサーのブライアン・リー氏)

米国のベンチャーにもかかわらず、日本を市場に選んだのはなぜか。それは日本が「ロボットに親しみを持つ人がいる最大の市場」(リー氏)であり、「小学校での英語の必修化やオリンピックを控えて英語学習の人気が高まっている」ことも背景にある。

一方、リー氏によると「米国は思ったほどロボット市場が成長していない」という。ロボットやキャラクターを巡る文化の違いもあるようだ。実際に15年に米日中韓などで試験販売したところ、「売り上げの半分を日本が占め、圧倒的だった」。ドラえもんに代表されるようなアニメのキャラクターが生まれ、愛される日本だからこそ「売れる」と判断したわけだ。

15年11月に日本で事前予約を始め、16年11月にはソフトバンクコマース&サービス(東京・港)を通じて正式に店頭で販売する。「16年は2万台、17年は10万台の販売を目指したい」(リー氏)と意気込む。今年は京都市の同志社中学校でも試験的に授業で導入した。

11月の発売に向けて、MUSIOを主人公とした漫画の発行も検討している。「ドラえもんのように日本人に愛される存在にしたい」(リー氏)という。

AKAは米国に本社を置きソフト開発をしているが、韓国のソウルにも機器や教材の開発拠点を置く。社員約30人のベンチャー企業だが、東京を含め太平洋をまたぐ3拠点体制を敷く。MUSIOがAIを搭載したロボットによる学習市場を切り開けるかどうか、挑戦が続く。

(ニューヨーク支局 高橋里奈)

[日経産業新聞2016年7月8日付]

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