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一般職3分の1、総合職に転換 サッポロビール

サッポロビールで一般職から総合職への転換を目指す女性社員が急増している。今年は一般職の3分の1に当たる58人が職種転換に応募し、10月から始まる試験に向けて研さんを重ねている。受験の要件を緩めたり、転勤のない新たな職制を入れたりした効果だ。旗振り役は持ち株会社サッポロホールディングス取締役の福原真弓氏(52)。「職責を担えば成長できる」が持論だ。

総合職への職種変更を促す研修に参加した一般職社員(5月、東京・渋谷のサッポロビール本社)

「人が成長する機会をつくりたい」。福原氏は5月、事業子会社のサッポロビールの女性社員を前に呼びかけた。集まった女性社員は現在、一般職。10~11月の試験で総合職への転換を目指す人たちだ。

福原氏は3月、国内のビール業界では初めて生え抜きの女性の取締役に就いた。サッポロビールに総合職で入社。ワイン事業の開始に関わった後、社内のダイバーシティー推進プロジェクトにメンバーとして参加したとのをきっかけに人事部門に転身した。2009年に人事総務部グループのリーダーとなり、13年から部長を務めた。

福原氏が働き方に関心を持った原点は30代の頃にある。ワイン専門店の運営会社に出向し、生え抜きの社員やアルバイトらに交じって当時日本最大級のワイン専門店「恵比寿ワインマート」を開業し、成功させた。「飛躍するには立場に関係なく挑戦できる機会が必要だと痛感した」。新しい環境に飛び込まなければ何も始まらないことに気づいた。

それまで一般職から総合職に転換を果たす人は年に1~2人程度。14年には職種転換のための試験を受けられる基準を下げ、勤続5年から3年にしたが、希望者は増えなかった。「試験の難しさや転勤の不安もあるが、総合職になりたいと思う気持ちを呼び起こすことがまず必要だった」と言う。

16年1月の制度改正からペーパー試験をなくし、面接試験に変えた。受験の要件は勤続年数から職場の推薦にした。

一般職の主な仕事は伝票の作成や機器の手配などの補助的な事務。効率の良いやり方などを発案するなどの意欲が日々の業務で見られれば推薦される。

総合職には常に転勤の可能性がある「S系列」しかなかったが、16年1月からは「総合コースN」と「総合コースR」を加えた。Nは「National」の頭文字で海外も含めた転勤があり、従来のS系列に当たる。Rは「Regional」の意味で、待遇は劣るものの、育児や介護などの事情があればエリアを越えた転勤はない。

サッポロビールは162人いる一般職の7割に総合職に転じてもらう目標を掲げる。「グローバル化で人手が不足する中、長い間経験を積んできた一般職社員の能力を最大限に引き出したい」。福原氏は年に数回の研修を実施して、意欲を高める取り組みを進める。

(朝田賢治)

[日経産業新聞7月6日付]

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