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伊調と吉田、4連覇に挑むレスリング絶対女王

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2016/7/5 3:30
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 リオデジャネイロ五輪開幕まで、いよいよあと1カ月。日本選手団の顔ともいえるレスリング代表のベテラン2人は、女子では前人未到の4連覇という偉業を懸けた戦いに挑む。いずれも五輪と世界選手権で負けを知らない「絶対王者」。追い求めるものも練習環境も対照的な両雄が、そろって不滅の金字塔を打ち立てられるか。(本池英人)

伊調進化、理想求めて

「中身のあるレスリングを見せたい」と語る伊調=共同

「中身のあるレスリングを見せたい」と語る伊調=共同

五輪4連覇という大記録への意識は「自分の中では全くない」と言い切る。何とも素っ気ないが、それが伊調馨(32、ALSOK)らしさだろう。心にある思いは一つだけ。「中身のいいレスリングを見せたい。それが競技の発展や普及にもつながるし、観客も楽しめるはず」

そもそも「勝ちたいとか、負けたらどうしようという気持ちを持つことがあまりない」。昨年の世界選手権も無失点で悠々と10度目の優勝をし、今年1月の国際大会でモンゴル選手に不覚を取るまで13年間負けなしだったのだからそれも当然か。

そんな伊調も普段の練習では「毎日ぼこぼこにやられていますよ」と語るのは、警視庁の田南部力コーチ(2004年アテネ五輪銅メダリスト)。ロンドン五輪前から師事する同コーチの下で男子選手と同じハードな練習をこなし、スパーリングで男子に連日ひねられている。

女子とは段違いの緻密な技を体感し、徐々に我がものとする。その作業を繰り返す中で、ただ大会に勝つだけでは飽き足らなくなってきた。「相手が強いほど(フェイントへの)反応が良くて効果がある。自分の理想のレスリングができて満足感があるのは強い相手」。取って取られて、というハイレベルな攻防にこそ面白みを見いだす。

三十路(みそじ)を迎えてから感じる変化は、必ずしも衰えばかりではないという。「ケガも増えたし、治りにくくもなっている。でも確実に若い頃より今の方が強いのは、中身にこだわってきたから。年齢を重ねるってことは悪いことではないと思う」

田南部コーチも「レスリングは相手のタイプによって組み立てを変えるもの。その攻撃のバリエーションは確実に増えている」と認める。バージョンアップして臨むリオ五輪へ死角なし。誰もがそう認めるなか、唐突に訪れたのが1月の敗戦だった。

0-10というスコア、不戦敗を除いた連勝が189で止まった事実は衝撃的だが、敗因は明確だ。古傷の首を痛めたことに加え、最近の研究テーマだった「相手との最適な間合い」に答えを出さないまま繰り出した中途半端なタックルを返されたこと。「(やってはいけないことを)再確認できたという意味ではプラスしかない」と田南部コーチは前向きに捉える。

本人もショックを受けた様子はない。ただ、いつもメダルには無頓着なのに今回の銀メダルは2年前に亡くなった母の遺影の横に飾っている。「なぜ負けたか、このメダルにどんな意味があるかを考えることで練習への意欲も変わってくるので」。多少の危機感が盤石の強さの補強材となるなら、一度のつまずきも悪いものではない。

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