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主力選手放出? 「常勝」ヤンキースが悩む事情
スポーツライター 杉浦大介

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2016/7/4 6:30
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メジャー屈指の名門ヤンキースが苦戦している。田中将大はエース格としてまずまずの投球を続けているが、チームはア・リーグ東地区5チーム中4位と低迷。8月1日のトレード期限を前に、今年は補強するのではなく、主力選手を放出するのではという推測も飛び交っている。過去23年は常にポストシーズンに進出するか、少なくとも9月までプレーオフが狙える位置にいた強豪は、今夏に解体の道を歩むのだろうか。

田中の前半戦は及第点

「チームが勝ったことは素直にうれしいですけど、今日の登板は迷惑しかかけてないし、気まずさというのはありますね……」

6月29日のレンジャーズ戦では今季ワーストタイの6失点と痛打され、試合後の田中は意気消沈していた。九回裏の猛反撃でヤンキースは9-7と逆転サヨナラ勝ちを飾り、田中の負けは消えた。それでも27歳の右腕の気持ちは晴れなかったに違いない。

もっとも、今季は16試合に登板し、5勝2敗、防御率3.35とここまでの数字は悪くない。この日は打たれたものの、前半最後の登板を終えた時点で通算104回2/3を投げており、投球回数は渡米以降初めてシーズン200イニングを突破するペース。もちろん内容が良くなければ長いイニングは稼げないわけで、エース級先発投手の絶対条件をクリアしていると言ってよい。

中5日の6戦では3勝0敗、防御率1.24、中4日の7戦では1勝2敗、防御率5.28と中4日登板に対する不安こそ消えていない。それでも、右ひじに対する懸念はすでに吹き飛び、及第点の前半戦を過ごしたと評価できるのではないか。

ただ……。ヤンキースのチーム全体を見ると、田中の安定は数少ない好材料にすぎない。7月1日のパドレス戦を終えた時点で39勝40敗と苦戦し、地区首位のオリオールズにすでに8ゲーム差。2席のワイルドカード争いでも8番手にすぎず、プレーオフ進出には黄信号が灯っている。

「最高の野球、プレーできていない」

「まだ自分たちにとって最高のベースボールがプレーできていない。4月に大きな穴にはまってしまい、そこから出ようとしているところだ。これからも良いプレーを継続していく必要がある」

田中の女房役も務めるブライアン・マッキャン捕手はそう語るが、正直、優勝を狙えるチームにはまったく見えないのは事実である。

先発投手陣の中で防御率3点台なのは田中とCC・サバシアだけで、ネイサン・イオバルディは同5.54、マイケル・ピネダは5.24、イバン・ノバは5.32と低迷。打線も低レベルで、チーム総得点328(メジャー23位)、長打率3割9分1厘(同27位)、OPS(出塁率と長打率を足した数値)は同25位といった成績は寂しい限り。レギュラー野手の中に32歳以上の選手が7人もいる高齢チームだけに、今後の伸びしろが大きいとも思えない。

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