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イチローに嫉妬? ピート・ローズの本音とは
スポーツライター 丹羽政善

(3/3ページ)
2016/6/20 6:30
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気が変わらないうちにと早口で質問したが、頭の中にはなぜか、別のことがよぎる。

政治や戦争、米社会の側面を追い続け、スポーツにも造詣が深かった故デビッド・ハルバースタムの本に1941年に56試合連続安打を記録したジョー・ディマジオ(ヤンキース)と同じ年に最後の4割打者となったテッド・ウィリアムズ(レッドソックス)を通して、優勝争いが最終戦までもつれ込んだ両チームの争いを描いた「SUMMER OF '49(49年の夏)」という名作がある。その中で、ディマジオに質問しようとする記者はみんな早口で質問をするという観察があるが、ああ、こういうことかと合点がいった。「まず質問を聞いてくれ」。そういう気持ちになるのだ。

最終的にローズは5分近く取材に応じてくれた。仮にサインをもらう人が待っていなければ、もっと話を聞けたのではないか。

話した内容はといえば、従来通り「日本のヒット数を加えるなら俺のマイナー時代の安打数も加えろ」というもので、あまりにも強い口調だったので怒らせてしまったのかと思ったが、それでインタビューを打ち切られることはなく、「帰れ」とも言わなかった。

ただ、彼がそういう憎まれ役を演じているのか、本音なのかが、最後までわからずじまい。

「過激なことを言って、注目を浴びたいんだろう」という人もいる。「あいつは、昔からそういうやつだ」という記者もいた。

「そういう人がいた方が面白い」

元マリナーズ打撃コーチで現ツインズ監督のポール・モリターは、ローズがそういう憎まれ口をたたくことを「わからないでもない」と言っていた。そこにはある種の嫉妬が含まれているそうだが、イチローはといえば「そういう人がいた方が面白い」と話す。

「だって、大統領選の予備選を見ていたって、面白いじゃないですか。そりゃあだって、あの共和党の方(トランプ氏)がいらっしゃるから盛り上がっているわけで、そういうところはありますよ。それは人間の心理みたいなものですから。それはいいんじゃないですか。じゃないと盛り上がらないし、っていうところもあるでしょ?」

では、果たしてローズは演じているのか、本音で言っているのか。

「それは分からないです。うん。会ったことないしね」

正直、会ってもわからない。

ローズの本心はどこにあるのか。何が言いたかったのか。

また機会があれば、ラスベガスを訪れてみたい。大リーグから永久追放されている彼はこれまでも、そしてこれからも、ラスベガスに行けば会える。

(敬称略)

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