消えるか妊娠線 治験の豪VBに出資

2016/6/16 6:30
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再生医療を手がけるバイオベンチャーのリプロセルが、新生銀行系の投資会社と共同運営するベンチャーファンドを通じて、豪バイオベンチャーのエラスタジェン社に投資したことが分かった。同社は肌の張りを保つ皮膚組織の再生を促す医薬材料を開発中だ。開発に成功すれば、出産後に生じる妊娠線の治療や、女性の皮膚美容に活用できる可能性がある。

出資先のエラスタジェン社が入居する豪州のナショナルイノベーションセンター

出資先のエラスタジェン社が入居する豪州のナショナルイノベーションセンター

新生銀行系の投資会社、新生企業投資とリプロセルが2014年に設立したベンチャーキャピタルのセルイノベーションパートナーズが、100万豪ドル(約8千万円)を出資した。今回の投資が第1号案件になる。

エラスタジェン社は、トロポエラスチンという物質を遺伝子組み換えで大量に製造する特許技術をもつ。この物質は体内でエラスチンに変わる。

エラスチンは皮膚のコラーゲンを結びつける役割があり、肌の張りや弾力性を保つために必要だ。

だがエラスチンは年齢とともに減ってしまう。これが肌の張りが損なわれ、しわやたるみが生じる原因になっている。

同社は女性の皮膚美容や、出産後に生じる妊娠線の治療向けに、オーストラリアで臨床試験を行っている。皮膚美容の治験は現在後期段階の治験に入っている。治験により効き目をどこまで実証できるかが焦点になる。

また一度できた妊娠線はなかなか消えにくい。このため妊娠線に悩む女性は多く、治験に成功すれば大きな市場を獲得できるとの期待がある。

今回の出資は、エラスタジェン社が調達した総額1400万豪ドルのうちの一部。リプロセルなどのファンドとは別に、英国の研究支援団体であるウエルカム・トラストや、韓国の化粧品大手アモーレパシフィックのベンチャーキャピタルなどが出資した。

リプロセルは今後、エラスタジェン社の製品開発や販売を担うパートナーの開拓など、日本での事業展開も視野に入れる。

セルイノベーションパートナーズの運営資金は9億円で、再生医療や幹細胞などの医薬品を開発する国内外の企業に、1社1億円をめどに出資する。投資だけでなく、リプロセルの事業展開と合致する技術シーズ探索の目的も兼ねており、今後も年2~3件のペースで案件を開拓していく予定。

(企業報道部 野村和博)

[日経産業新聞6月16日付]

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