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勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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震災で浮かんだスポーツの持つ力 J2熊本に思う

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2016/6/15 6:30
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大きな災害に襲われた後、そこで暮らす人たちの辛苦に胸を痛めつつ、しばしば感じ入るのはスポーツの持つ力の大きさである。4月14日、16日に相次いで熊本県を襲った地震で苦境に陥ったJリーグ2部(J2)のロアッソ熊本についても、クラブを支える動きにスポーツが取り結ぶ縁の素晴らしさを感じた。

ボールを追う熊本の巻。チームは金沢戦に大勝しファンに待望の白星を届けた=共同

ボールを追う熊本の巻。チームは金沢戦に大勝しファンに待望の白星を届けた=共同

好調だったチーム、地震で一変

今季の熊本は好調だった。2月28日の開幕戦(対松本山雅)から3連勝し、J2昇格後、初めての首位に立ちもした。その後、2連敗もあったが、4月9日の第7節終了時には5位(4勝2敗1分け=勝ち点13)という上々のポジションにつけていた。

地震で状況は一変した。ホームの熊本県民総合運動公園陸上競技場(うまかな・よかなスタジアム=うまスタ)は支援物資の集積所となり、トップチームから育成の下部組織まで活動は停止を余儀なくされた。チームには被災した選手もいて、試合どころではなかった。断水の間、配給の水を家族のもとに運び続けた、ある選手は「人間って1日にこんなに大量の水を使うんですね」と驚いたそうだ。

ロアッソは、J2リーグ第8節(4月17日)の京都戦から第12節(5月7日)の札幌戦まで、計5試合をスキップすることになった。リーグに復帰したのは5月15日の第13節、アウェーの千葉戦から。熊本のFW巻はかつて千葉の主力選手だったこともあり、千葉のフクダ電子アリーナ(フクアリ)には熊本と巻を励まそうとしてか、1万4163人の観衆が詰めかけた。

続く第14節(5月22日)の水戸戦は、うまスタが使えないため、柏の協力を得て日立柏サッカー場で行った。熊本の池谷友良社長は柏の監督経験もあるOB。北嶋秀朗(現新潟コーチ)ら熊本に在籍した元柏の選手も多い。「熊本地震復興支援マッチ」と銘打たれた試合には8201人の観衆で埋まった。

本拠地を使えない状況が続くが、サポーターの声援は熱い=共同

本拠地を使えない状況が続くが、サポーターの声援は熱い=共同

4連敗後、金沢に大勝し群馬とドロー

その後もうまスタを使えない状況は続き、第15節(5月28日)の町田戦は神戸の、第17節(6月8日)の金沢戦は鳥栖のスタジアムを借りて試合をした。ホームに腰を据えて戦えないことは成績に反映し、復帰した千葉戦から水戸、町田、岡山に4連敗。

このままどこまで落ちるのかと心配されたが、金沢に5―2で大勝し、ようやくファンに待望の白星を届けることができた。第18節(12日)の群馬戦は1―1で引き分けた。

19日の讃岐との第19節のホームゲームも鳥栖で試合をする。7月3日第21節のC大阪戦から、うまスタを使う予定でいるが、それまでに安全性の検査を無事クリアできるかどうか。

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