2019年6月19日(水)

「1強時代」へ進む プロボウラー・姫路麗(上)

2016/6/19 6:30
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鬼気迫る試合での表情とは対照的に、普段は関西人らしい陽気さとサービス精神に富んでいる。アマチュアの挑戦を受ける「チャレンジマッチ」は全国から引っ張りだこで、1年以上先まで予定が詰まっている。

姫路麗(フタバボウル)は押しも押されもせぬボウリング界の顔である。2015年の快進撃はその地位を不動のものにした。

アマチュアの挑戦を受ける試合は1年以上先まで予定が詰まっている

アマチュアの挑戦を受ける試合は1年以上先まで予定が詰まっている

意志の強さで、狙って2度目の3冠

日本プロボウリング協会(JPBA)の公式トーナメント11試合のうち4試合で優勝を飾った。765万円の獲得賞金、223.53で2位に6ピン以上の差をつけたアベレージ、試合の成績に応じてJPBAが付与するポイントランキングのすべてにおいて抜きんでた3冠女王。「1強時代」を築きつつある。

3冠は08年にも経験したが本人の手応えは違う。「08年はがむしゃらにやって、終わってみたらそうなっていた。去年は、もう一度なりたいと思ってなれた」。1度目よりも難しい2度目の栄冠を、狙って取れたことに価値がある。

新たにコツや技術を会得したわけではない。「日々の勉強と努力を続けて常に全力を出し切った結果。負けても腐らず、相手の勝利を素直に喜べるよう最善を尽くそうと心掛けている」。そこまでやっても勝つ保証はないが、「負けても『あれ以上やるべきことはなかった』と言えるようにはしておきたい」。

柔らかい体を生かしたダイナミックなフォームから、女子離れしたスピードボールを投じる。師匠のプロボウラー北野周一(65)は「ワックスの具合で刻々と変わるレーンの読み、そこへの対応力と引き出しの多さも優れている」。そして、姫路の最大の強さは「意志力」だという。

相手のプレー「覚えてないほど集中」

数十ゲームにわたって投げ続ける試合では、近くに自分よりもピンを打っている選手がいると似た攻め方をしたくなる。「けれども姫路は思い通りにいかなくても自分の攻め方を貫ける。イメージと体の動きが一致してくれば、いずれは打ち出すと信じている」

昨年12月の全日本選手権ではその意志が揺らいだ。準決勝まで33ゲームのトータル1位。決勝で新鋭・山田幸の挑戦を受けた。ひとつ勝てば優勝という形勢になりながら、最初のゲームは終盤に逆転負け。焦った姫路は2ゲーム目で曲がりの違うボールに替えて序盤から先行され、そのまま苦杯をなめた。

モヤモヤが晴れたのは5月の今季2戦目「グリコセブンティーンアイス杯」だ。決勝で当たった堂元美佐は今季初戦を制した実力者。「怖かったけどパーフェクトを出すしかないと思った」。6フレーム目で1ピンを残したほかはすべてストライク。279ピンを打って2連覇を果たした。「堂元さんのプレーもよく覚えていないほど集中していた。相手を気にしすぎた全日本の負けを生かせた」

白星で挟めば苦い黒星も白く変わる。オセロのように。3冠ロードの勢いは今も続いている。

(敬称略)

〔日本経済新聞夕刊6月14日掲載〕

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