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舛添都知事、せめてリオ五輪は欠席してください
編集委員 北川和徳

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2016/6/10 6:30
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テレビのワイドショーなどで一方的な批判にさらされている人を見ると弁護したくなる性分だ。新聞記者として、好き嫌いや怒りの感情はできるだけ排除して客観的に物事を見るよう心がけてもいる。そんな自分でも、この人に関してはそんな気持ちにまったくなれない。「厚顔無恥」「ひきょう」「さもしい」。悪口ばかり浮かんでくる。政治資金の「公私混同」で猛烈な批判を浴びている東京都知事、舛添要一氏のことである。知事は本当に8月のリオデジャネイロ五輪の閉会式で、次回大会のホストシティーの代表としてオリンピック旗を受け取るセレモニーに登場するつもりだろうか。

知事の後ろには大会エンブレム

記者会見する舛添知事の後方には20年東京五輪・パラリンピックの大会エンブレムが映っている=共同

記者会見する舛添知事の後方には20年東京五輪・パラリンピックの大会エンブレムが映っている=共同

先日会った2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の関係者が嘆いていた。「知事の会見のたびに、後ろには大会エンブレムが映っているんですよ」

6日の知事の会見も突っ込みどころが満載だった。疑惑の調査を担当したという元検事の弁護士2人が同席したが、渦中の本人が自分で選任した弁護士を厳しい目の「第三者」とすることから無理がある。「自分は信頼を失っている」と自覚する舛添氏の言い分を、代わって主張してくれる代理人と考えるべきだろう。

その調査報告書を読んでも、主に知事と秘書の聴取と簡単に入手できる資料によって事実関係を判断している。当事者である知事の説明を信頼している印象が強い。第三者の証言などによる裏取りはほとんどない。調査件数が多すぎて時間がなかったのは分かるが、これでは元特捜検事の肩書が泣いている。

疑惑の焦点となる13年、14年正月の家族同伴での千葉県木更津市のホテル宿泊の際の会議については、両年とも元新聞記者の出版社社長と会談したと初めて明らかにされた。もっとも、この社長への聴取はない。どうやってそれを事実と認定したのか。そもそも知事は以前の会見で、会議参加者は事務所関係者らと説明していたはずなのだが、その食い違いを追及した様子もない。

よく分からないのが、絵画の購入は「違法ではないものの不適切」なのに、書の購入は「不適切とまではいえない」となっている点。どちらも舛添氏の趣味であるが、絵画は「政治活動と関わりがないとはいえない」、書は「政治活動と関わりがある」との微妙な違いで、「数が多すぎる」という指摘は同じだ。どこで線引きしたのだろう。舛添氏が「(絵画は)インターネットオークションだと安くて、つい買いすぎた」と認めたからだろうか。政治資金で購入した美術品はどこかに寄贈するというが、それには書も含まれるのか。書については手元に残したいのではないかと、勘繰ってしまった。

人間の品性が問われている

もっとも、知事の代理人ともいえる弁護士の調査ですら、私的流用で「不適切」と認定するケースがいくつも出てきた事実は重い。問題の本質は違法性の有無ではない。

税金が含まれる政治資金を、家族旅行でも家族での食事でも、自分の趣味にでも、「政治活動に関係がある」ことにして平気で使ってしまう人間の品性が問われている。自分のお金にはシビアだが、自分が使える公金には遠慮なし。公用車の使い方も超高額な出張経費も根っこは同じだ。似たような公私混同をしている政治家はほかにもきっといるだろうが、そんな人間に税金の分配を決める行政のトップを任せられるわけがない。

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