2019年1月23日(水)

舛添都知事、せめてリオ五輪は欠席してください
編集委員 北川和徳

(2/2ページ)
2016/6/10 6:30
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説明責任を果たせといわれているが、もはやそんな段階ではないと思う。知事自身も「常識から外れていた」「極めて恥ずかしい行動」「汗顔の至り」と反省の言葉を繰り返している。それなら、自分の弁護士の調査結果を受けてさっさと職を辞すのが筋だろう。

いくら居座ろうとしても、できるわけがないはず。ところが「今辞められると、4年後の五輪のときに知事選をやることになる」というのが、延命を許す大きな理由の一つになるから悩ましい。警備や行政事務の負担を考えれば、避けたいのは確かだろう。

政治資金流用疑惑に対する弁護士の調査結果について、記者会見する舛添知事(手前)と弁護士=共同

政治資金流用疑惑に対する弁護士の調査結果について、記者会見する舛添知事(手前)と弁護士=共同

その五輪に関していえば、心配なのがリオ五輪の閉会式でオリンピック旗を国際オリンピック委員会(IOC)会長を介してリオ市長から東京都知事へ引き継ぐセレモニーだ。IOCは政治家のプロパガンダや国威発揚に五輪を利用されるのを嫌い、開閉会式など式典のルールを厳格に定めている。ホストシティーの首長でも、式辞などは許されない。唯一の晴れ舞台がこのセレモニーなのだ。リオでは東京をPRするパフォーマンスも披露される。世界の注目を東京に集める場の主役として、知事もやる気満々という。

20年大会には致命的ダメージも

この状況で舛添氏がオリンピック旗を受け取り、誇らしげにアピールなどしたら、国民や都民はしらけるばかりだろう。テレビのワイドショーは連日、舛添氏をたたき続けている。知事を追及する都議会のネット中継にはアクセスが殺到し、一時視聴できなくなったそうだ。みんながどんな気持ちで知事が責められる姿に注目しているかと思うと怖くなる。こんな言い方は申し訳ないが、今の知事は「信頼を失っている」というレベルではなく、大半の人々から「軽蔑されている」のだと思う。都民は「恥」だと思っている。その最悪のイメージが五輪と重なる。20年大会にとって致命的なダメージになりかねない。

ルール上は、旗を受け取るのは次期開催都市の首長と決まっているが、リオでは開会を宣言するはずのブラジル大統領も職務停止中で副大統領が代役で行うことになりそうだ。ここは東京も「今の知事では五輪の価値を損なってしまう」と説明して、交代を願い出たらどうだろう。IOCもきっと了承してくれる。

問題は誰が知事に欠席するように説得するか。新国立競技場の旧計画もパクリ疑惑にさらされた大会エンブレムも白紙撤回となったが、その最大の理由は「国民みんなに祝福してもらえる大会にするため」だった。五輪・パラリンピック担当の遠藤利明大臣に聞いてみた。「今の知事の状況で、国民みんなが祝福する大会など可能ですか」。回答は「都民が納得できるように知事には説明責任を果たしてもらいたい」。危機感がまるでない。

組織委の森喜朗会長でも安倍晋三首相でも都議会議長でも構わない。誰か知事に「リオ五輪は諦めなさい」と引導を渡してもらえないでしょうか。

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