学費「出世払い」も 米IT専門校、アジアで攻勢

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2016/6/7 6:30
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IT(情報技術)企業で活躍できる即戦力を養成するシリコンバレー発の教育機関メークスクールが全米の主要都市や日本、台湾、シンガポールなどに拠点を拡大している。起業や事業運営ですぐに使える知識を経験者から学べる産学直結のカリキュラムに加え、「出世払い」の長期コースなど、未来の大学の一つのあり方を提示している。

メークスクールの「デモデー」の様子

メークスクールの「デモデー」の様子

■13歳から受講可能

4月28日、メークスクールの受講生が開発したアプリを披露する「デモデー」に慢性的な技術者不足に悩む多くのIT企業の人事担当者が顔を出した。受講生の1人、ケビン・カルドウェル氏は「とにかく簡単に使える」と語りながら、自らの履歴と開発したサービスなどをまとめた紙を参加者に渡しアピールした。同氏がチームプロジェクトで開発したのは新興国で普及する廉価な携帯電話につなぐことで通信料をかけずに簡単なやりとりが可能な格安基板だ。

メークスクールの講習はスマートフォン(スマホ)向けアプリ・ゲームの作り方から始まり、サービスへの決済機能のつけ方、データ処理、ITシステム全体の組み方などに及ぶ。さらにアプリ発売後のテコ入れ、マーケティング費用の効率的な使い方、どう投資家に接触し、会社を設立するのかなど、多岐に及ぶ。5年以上のIT関連の勤務経験がある講師にいつでも質問ができる。

単なる短期講習と違うのはベンチャー企業の運営に必須の実践的知識を実際にサービスを作りながら学んでいく点だ。成績はつけず、自ら開発したサービス自体が就職活動時の履歴書代わりになる。13歳から受講できる1~2カ月間の夏期講座が中心で、受講料は4千~1万ドル(約44万~110万円)程度。

今夏には拠点がロサンゼルス、ワシントンDC、アトランタ、台北、香港、ロンドンなど世界中に広がる。シンガポールでは現地ベンチャーキャピタル(VC)から資金を調達し、初の海外子会社をつくった。テキサス州サンアントニオ、上海、デリーなどにも拡大する準備を進めている。日本でも増進会出版社(Z会)と組み今夏から中高生対象の2~3週間の短期集中講座を始める。

■世界の英才をシリコンバレーに

カリキュラムはMITやスタンフォードの課程の一部に採用され、シンガポールの大学などから引き合いがあるという。日本でもグリーが社内研修に活用している。

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