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バレー男子、「リオで復活」掲げ2大会ぶり出場狙う

4大会連続で五輪出場を決めた女子に続けるか。男子バレーボールのリオデジャネイロ五輪世界最終予選兼アジア予選(東京体育館)が28日開幕する。日本は2大会ぶりの五輪出場を狙うが、ライバルは2014年世界選手権優勝のポーランド、15年ワールドリーグ優勝のフランスなど強豪ぞろい。厳しい戦いは避けられないが、南部正司監督は「出場権を取ってリオで(男子を)復活させるのが最大の目標。相手は強豪国ばかりだが自分たちの持ち味を出したい」と意気込みを口にする。

石川と柳田ら若手の成長、躍進支える

五輪世界最終予選兼アジア予選に臨む男子日本代表=共同

1995年大会以来の5勝(6敗)をあげて6位に食い込んだ昨年のワールドカップ(W杯)。躍進を支えたのは20歳の石川祐希(中大)、23歳の柳田将洋(サントリー)といった若手の成長だ。地元の利があったとはいえ、ロシアとフルセットの熱戦を演じ、米国やポーランドといった優勝候補相手でも一方的な展開に持ち込まれることはほとんどなかった。おかげで「海外の(強豪が)相手でもびびることなくやれている」と石川はいう。

18歳で代表入りを果たした石川は14年アジア大会(韓国・仁川)の銀メダル獲得に貢献、その後イタリア・セリエAのモデナへ留学するなど国際経験を積んできた。滞空時間の長いジャンプから相手の強烈なスパイクを繰り出していく。身長2メートルを超える大男たちのブロックを観察しつつ、ブロックの横を抜いたり、タイミングをずらして相手ブロックの吸い込みを誘ったりするなど、その技術の高さにセッターの深津英臣(パナソニック)は「(苦しいトスでも)何とかしてくれる」と信頼を寄せる。

気がかりなのは昨季終了後に左膝の古傷を痛めたこと。大学春リーグに始まり、黒鷲旗、ワールドリーグ、海外遠征、W杯、大学秋リーグ、インカレ、天皇杯と休む間もなく試合に出場し続けた影響があったのかもしれない。そのため1月の天皇杯後は膝に負担のかかるジャンプなどはひかえてきた。現在は「練習後に疲労感はあるけれど、次の日には(疲れは)とれている」という。

その石川の対角として、昨年のW杯でコンビを組んだのが柳田。W杯ではバックアタックさながらに高い打点から打ち込む強烈なジャンプサーブで出場選手中5位という結果を残した。4年後の東京五輪の主力になるであろう逸材は、独特の雰囲気のある最終予選についても「どの大会でも、ほどよいプレッシャーを感じている。自分らしく伸び伸びプレーできればいい」と気負うことなく自然体で挑むつもりでいる。

そうした若手に8年前の自分を重ね合わせているのが主将の清水邦広(パナソニック)。石川が高い決定力を誇ることで相手のマークが分散、チームのポイントゲッターの負担は減っている。08年の北京五輪に同学年の福沢達哉(パナソニック)ととも代表に選出された時はチーム最年少21歳の大学生だった。先輩たちに引っ張られ、「オリンピックには行ける」という確信を持てた。

逆に予選を突破できなかった前回は最終予選前に足を負傷。手術を経て復帰したものの、万全の状態にはほど遠く「コートに上がったときに自信が持てなかった」。主将としてチームを若手を引っ張る立場になった今回は違う。頼もしい若手の台頭によってチームが強くなった実感がある。「8年前に近い雰囲気を感じる。自分たちのバレーをやればオリンピックに行ける自信はある」

5月の米国遠征、大会直前のフランスとの練習試合ではサブのメンバーやレギュラーが全員そろわない状態ならば互角以上に戦うことができた。相手がベストメンバーをそろえると日本の選手は萎縮してしまい、本来の動きができなくなるというマイナス面はあるが「それがなくなれば強豪国とも戦える力が身についている」と南部監督は手応えを口にする。

カギはアジアのライバル国との試合

世界最終予選兼アジア予選 日本男子の日程
対戦相手世界ランク対戦成績
5月28日ベネズエラ20位10勝6敗
29日中国19位74勝56敗
31日ポーランド2位28勝51敗
6月1日イラン8位19勝14敗
2日オーストラリア13位25勝7敗
4日カナダ10位36勝19敗
5日フランス10位22勝37敗

(注)日本は14位

とはいえ、予選参加国と日本の力関係を考えればポーランド、フランスの欧州勢2カ国には分が悪い。まずは序盤の2試合で対戦する日本より世界ランクの低いベネズエラ、中国に連勝して波に乗りたい。その上でカギとなるのが、ポーランド戦を挟んだ第4、5戦であたるイラン、オーストラリアというアジアのライバルたち。高さを生かした攻撃は両国ともアジアの枠に収まらないバレーを展開する。昨年のW杯ではオーストラリアには3-1で勝ち、世界8位のイランには2-0とリードしながらフルセットの末逆転負けを喫している。特にイランはセッターのトスの精度が高い。サーブで相手の守備を崩して勝機をつかみたい。

W杯の活躍もあって、これまで女子の陰に隠れていた男子だが今ではVリーグだけでなく、大学リーグに女性ファンが殺到するようになった。一気に脚光を浴びる状況となったわけだが、それも五輪の出場権を獲得できなければ一過性の人気になってしまいかねない。石川は「とにかく勝ちたいので、その思いを前面に出せればいい」と決意を口にする。

(馬場到)

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