サミット本番へ徹夜の警備 テロ対策の行方を左右

2016/5/26 10:48
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賢島へ続く道が封鎖され、厳重な警戒が続く(25日午後、三重県志摩市)

賢島へ続く道が封鎖され、厳重な警戒が続く(25日午後、三重県志摩市)

26日朝、中部国際空港に到着したイタリアのレンツィ首相、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領は悪天候のため、一部の高速道路を封鎖し、車で主会場の賢島(三重県志摩市)に入った。様々なテロを想定した警備訓練を繰り返し、首脳の輸送も空路、陸路の双方を想定してシミュレーションしてきたことがまずは実った。

賢島周辺では、G7首脳全員の到着を前に、夜を徹しての厳重な警備が行われた。賢島周辺では、警察や政府関係者の車両がひっきりなしに行き交い、緊迫した雰囲気に包まれていた。制服姿の警察官や検問所。先週から封鎖された真珠養殖の島付近では24時間態勢の警備が続く。

サミット開催が決まった昨年6月、三重県警はサミット対策課を立ち上げ、入念に警備計画を練り上げてきた。たとえば2008年、第1回の金融サミットを米国で開くと決まった際、米国は首都ワシントンDCを開催場所に決めた。ワシントンならシークレット・サービスもなれている。日本でも、経験があるのは警視庁が一番。東京以外だと訓練が欠かせない。このため本番までに三重、愛知両県警だけで警備訓練は1000回を数えた。警視庁など全国の警察を合わせればさらに増える。

前回の北海道・洞爺湖サミット(08年)の警備と大きく異なるのは、テロ攻撃の多様化だ。主要インフラ施設へのサイバーテロ、小型無人機(ドローン)を使ったテロ……。攻撃の多様化に伴い、新たな脅威への警備訓練も迫られてきた。ある警察幹部は「過去のサミットとはフェーズが異なる」と漏らす。

今回、国内の地方開催では過去最大となる2万3千人の警備態勢で臨んでいる。三重県警によると、25日夕時点で不審物やサイバー攻撃などのトラブルはないとはいえ、不測の事態に直面するリスクは消えたわけではない。

国内では、19年のラグビーワールドカップ日本大会、20年の東京五輪・パラリンピックなど国際的な大規模イベントが相次ぐ。「テロの脅威はもはや、対岸の火事ではない」(別の警察幹部)。その言葉は、日本は安全という意識との決別を市民に求めたメッセージともいえる。(丸山寛朝)

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