空か陸か天気次第 要人輸送、警察・自衛隊の総力戦

2016/5/25 14:18
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中部国際空港付近で車両検問をする警察官(25日午前、愛知県常滑市)

中部国際空港付近で車両検問をする警察官(25日午前、愛知県常滑市)

25日、安倍晋三首相が東京を出発し、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は本番ムードが高まってきた。サミットに参加する各国首脳らは、中部国際空港(愛知県常滑市)に到着後、主会場の賢島(三重県志摩市)まで向かう。移動手段は気象条件に左右されるため、要人輸送は自衛隊、警察の総力戦だ。

各国首脳が空路移動する場合、使うのが陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプター「CH47」。機内の座席も2人がけのVIP仕様に改装したという。

陸自第1ヘリコプター団(千葉県木更津市)の隊員ら約300人とヘリ計約20機から「国賓等空輸隊」を編成。各国首脳ら要人を乗せたとの想定で飛行訓練を繰り返してきた。

伊勢湾横断ルートは、空港から志摩半島南端にある賢島までは直線距離で約60キロ。CH47の巡航速度は時速約260キロで、30~40分程度で移動できる計算だ。すでに会場に近いテーマパーク「志摩スペイン村」(三重県志摩市)の敷地内に臨時ヘリポートを設置。首脳を乗せたヘリが着陸する。地元住民の一人は「高台にあるため、周囲から様子をうかがうことが難しい」と明かした。自衛隊はここで、要人輸送の役割を警察にバトンタッチ。首脳らは三重県警が指揮する車両に乗り換え、賢島に向かう。

しかし、オバマ米大統領だけは例外だ。大統領本人は専用機「エアフォースワン」で来日。大統領専用のヘリ「マリーンワン」に乗り換え、自国で輸送する見込みだ。すでに米側は、大統領が搭乗するとみられるヘリを、大型輸送機で愛知県営名古屋空港(同県豊山町)に搬送。飛行訓練などを繰り返しているとみられる。

もっとも、「空輸」は天候に恵まれることが大前提となる。悪天候でヘリが使えない場合、陸路での移動にならざるを得ない。そうなれば、自衛隊ではなく、空港の警備を管轄する愛知県警の出番となる。

空港から高速道路などを使えば、走行距離は空路の3倍に当たる約190キロに及ぶ。首脳の移動といえども、制限速度は厳守。交通規制しても、2時間半から3時間ほどかかりそうだ。賢島までノンストップ走行が基本となるため「運転手は相当な緊張と疲労を強いられる」(愛知県警幹部)。

各国首脳の来日は25~26日。25日午後の開催地周辺などの天気予報は、愛知県西部で「曇り所により雨。降水確率は40~20%」。三重南部で「曇り所により雨、降水確率は30%」とみる。空路に比べ沿道からのテロの危険が高まり、警備上の負担も大きくなるため、「絶対に晴れてほしい」と警察幹部は本音を漏らす。

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