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日本勢、ACL「4カ国死闘時代」勝ち抜け
サッカージャーナリスト 大住良之

(2/2ページ)
2016/5/20 6:30
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FC東京と浦和のほか、広島とG大阪が出場した今季のACL。日本勢は1次リーグで計24試合を戦って8勝6分け10敗、総得点27、総失点29だったが、8勝のうち4勝はタイとベトナム、すなわち「東地区の4強」以外から挙げたものだった。「韓・中・豪」の3カ国との対戦は4勝6分け10敗と非常に苦戦したのだった。

FCソウル戦で先制ゴールを決め、イレブンと喜ぶ浦和の宇賀神(右端)=共同

FCソウル戦で先制ゴールを決め、イレブンと喜ぶ浦和の宇賀神(右端)=共同

韓国勢とは1勝2分け5敗、中国勢とは2勝2分け4敗と大きく負け越し、かろうじて豪州とだけ1勝2分け1敗と互角だった。

中国勢、資金力生かしアジアの主役狙う

他の3カ国は、韓国勢が豪州勢に0勝2分け2敗と苦戦している(逆にいえば、今季の豪州勢は韓国勢に強かった)以外、それぞれの対戦でほぼ互角の成績を収めている。決勝トーナメント進出チーム数こそ2チームずつで均衡しているとはいえ、「東地区4強」のなかで日本勢は苦しい状況に立たされているといっていい。だからこそ、FC東京と浦和が決勝トーナメントでそれぞれ中国の上海と韓国のソウルに勝ったことは大きい。

4カ国のなかでもっとも早くプロ化し、ACLでも最多の4回の優勝を誇る韓国は09年から延べ23チーム(最多)が決勝トーナメントに進出している。韓国のクラブ自体は裕福ではないが、日本のみならず、中国や中東などで数多くの韓国人選手が活躍しているように、韓国人選手のレベルが高く、それが継続的に強いクラブを出すベースとなっている。

13年と15年に広州恒大がACL制覇を成し遂げた中国勢は、今年から他のクラブも100億円単位の資金をつぎ込んで世界的なスターを獲得し、一挙にアジアの主役になろうとしている。

豪州は今年初めて決勝トーナメントに2チームを送り込んだが、フィジカルの強さを前面に押し立てたサッカーで「Aリーグ」のレベルも上がってきている。ただ「Aリーグ」1部には10クラブしか在籍しておらず、日・韓・中が4チームずつエントリーするなか、「クラブ総数の3分の1以上のエントリーはできない」というACLのルールに縛られ、出場チーム数が3に限られているのは不利な条件だ。

こうしたなかで日本勢、すなわちJリーグの「強み」は何だろうか。欧州のトップリーグで数多くの選手がプレーしているように、日本人サッカー選手自体のレベルは高い。Jリーグは4カ国のなかでも最も競争が激しく、チーム戦術では他の3カ国より高いレベルにある。しかし、リーグが決めたクラブ財政基準が厳しく、赤字を出せないため、補強に多額を投じられない。海外から大物選手を導入できず、決勝トーナメント1回戦第1戦のFC東京と浦和の先発は全員が日本人選手だった。

上海上港に勝利し喜ぶFC東京のイレブン=共同

上海上港に勝利し喜ぶFC東京のイレブン=共同

日本のクラブ、他の3カ国に比べ層厚く

日本の特徴は09年から決勝トーナメントに進出した延べ21チームに、9ものクラブが含まれていることだ。延べ23チーム進出の韓国は6クラブ、延べ10チーム進出の中国は5クラブ、延べ7チーム進出のオーストラリアが6クラブであることを考えると、日本は「クラブ層が厚い」といえるだろう。

「西地区」の決勝トーナメント1回戦では3点差、4点差の試合もあったが、東地区の4試合はすべて1点差以内。多少の有利不利はあっても、ほんのわずかなことでひっくり返る可能性も高い。準々決勝進出チームはまだ見えてこない。第2戦は24、25の両日に行われる。

この「東地区4強死闘時代」から日本勢が一歩先に出るためにも、そして来年からの出場チームに自信を与えるためにも、FC東京と浦和にはぜひアウェーの第2戦を良い形で乗り切り、準々決勝へとコマを進めてもらいたい。

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