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ハンディやルール… ここが変だよ、日本のゴルフ
公益財団法人ゴルフ協会専務理事 山中博史

(3/3ページ)
2016/5/21 6:30
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他にも、ゴルフにはマッチプレー、スクランブル競技、ステーブルフォード(ポイントターニー)といろいろな競技方法があります。ぜひ、みなさんも一度試してください。今までになかったゴルフの楽しみ方が見つかること、請け合いです。

前進4打、海外で一様にけげんな表情

最後はコース上にはびこる奇妙なルールです。スポーツとして、ゲームとしてゴルフの本当の面白さを知るには、プレーヤーは同じルールで競うことが求められます。ルールという制限があるからこそ、ゲームは面白い。もし1チームだけ手を使えたら、サッカーはつまらないボール蹴りになるでしょう。

ゴルフ場でいえば、ティーショットでOBした際によくある「前進4打」はその代表です。「球はあるがままプレーする」という原則だけでは、OBゾーンにボールが入った時点でゲームが終わってしまいます。しかし、それでは競技としてあまりにも残酷なので、「OBした分のペナルティーを払って、ゲームに復帰してもいいですよ」という考えなのです。つまりペナルティーは救済でもあるのです。

ゴルフというゲームで距離は重要な要素ですから、元に打った地点よりホールに近い場所から次のプレーが行われるというのは、「距離をズルしている」のと同じになってしまいます。海外から見ると「前進4打」の話を聞くと、一様にけげんな表情をします。「ペナルティーを払えば、距離をズルしてホールに近づける(プレーヤーでなくコースがそう決めている)」というロジックが理解できないからです。日本ではコース内にOBゾーンがあるコースがたくさんありますが、これも海外ではなかなか理解できません。なぜならOBはアウトオブバウンズ、つまりコースの敷地外のことをいってるからです。プレーの進行だけを考えてコースの中にOB杭(くい)を立てることは本来とは違うことなのです。

「手を使うサッカー」の話をしましたが、ツアーの第一線で活躍するプロと契約するような有名メーカーが高反発規制違反ドライバーを「違反クラブですが」といいながら堂々と販売していることも、海外では奇異の目でみられています。「ドライバーは1ヤードでも人より飛べば気持ちいいじゃない」「競技に出るわけじゃないから堅いこと言わないで」という声が聞こえてきそうですが、それは「競技に出なければ、ルール違反クラブを使ってよい」ということにつながります。また、「ルール違反クラブでも売れればよい」「ズルしてもよいから、ウチのクラブを買ってください」ということになります。スポーツやゲームはルールがあるから面白いのだと思うのです。

それ以外にもゴルフ場利用税、国家公務員のゴルフ禁止、ハーフを終えての強制的な昼食、何となくおカネのにおいがする会員権、環境問題など、日本のゴルフの「ヘン」はたくさんあります。こうした問題は書き出すときりがないので、今回はゲームに限ってお話しました。

ゴルフが審判がいなくても成立するゲームです。その理由をルールブックでは、まず冒頭のページで、「ゴルフはフェアプレーを重んじるスポーツであり、ゴルファーはみな誠実で故意に不正をおかす者はいない」と書かれ、また第1章エチケットで「ゴルフゲームはプレーヤーの一人一人が……ゴルフ規則を守ってプレーするというその誠実さに頼っている。プレーヤーは……礼儀正しさとスポーツマンシップを常に示しながら洗練されたマナーで立ちふるまうべきである。これこそが正に、ゴルフの精神なのである」と説明しています。

この「ゴルフの精神」から逸脱した奇妙な救済措置や違反クラブを見るとき、「日本のゴルフは100年を超える歴史と伝統を誇る文化だ」と胸を張って世界に宣言できるかどうか。ゴルフ人口減少や男子トーナメント低迷などで「日本のゴルフを何とかしなければ」という機運が高まる中、もう一度考えるべきテーマだと思うのです。

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