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シャット・オープン・シャットの右回りスイングで飛ばす(下)

 ジュニアのコーチングに優れ、辻梨恵プロら多くの選手を育て上げている三觜喜一プロ。正しいフェースターンによる正しいインパクトを覚えれば、これまでよりも30ヤード以上も飛ばせるという。では、どうすればできるのか。その鍵は、シャット・オープン・シャットの右回りのスイングにある。具体的にどんなものか、最終回も三觜プロがヘッドコーチを務める「TAIKANZ GOLF」で体験させてもらった。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.30」から)

──右回りのスイングを教えていただいた後は、それができるためのドリルをいくつかやりました。

フェースを極端に開いて構え、スクエアフェースでインパクトする

三觜 最初にやったドリルは、サンドウエッジのフェースをかなり右に向けるオープンフェースにして構え、ターゲットに向かって低い球を打つものです。これを行うためには、開いたフェースを閉じてスクエアにヒットしなければなりません。シャット・オープン・シャットのスイングでそうなるように打つわけです。寝ているロフトを起こして立てることもやらなければならないので、フェースターンもできるようになります。右の前腕の回内が自然にできるようになります。

──スイング解析機ではダウンブロー度も計測されますが、自然にダウンブローにもなっていました。

三觜 開いたフェースをインパクトでスクエアにするためには、フェースを起こさなくてはなりません。そのためにはハンドファーストにして打たなければならない。自然にダウンブローにヒットすることになります。力のベクトルが地面に向けられているわけです。こうなると、アッパーブローにならないので、ダフりたくてもダフれない。芯でとらえられるようになります。

──谷内修也プロからはピッチングウエッジをスクエアフェースにしながらも、思いきりハンドファーストにして、ロフトを0度、つまり垂直に立てるほど起こしてアドレスし、そのまま打つドリルをやらされました。

三觜 これもダウンブローに打てるようになるためのドリルです。普通にスイングしてもハンドファーストでインパクトできるようになれば、ダウンブローにヒットできますから。

──このときはヘッドがフォローで跳ね上がらないように、左手は普通に握りますが、右手は手のひらを開いてシャフトに押し当てるだけというグリップで打つように言われました。こうするとインパクトからフォローにかけて、ヘッドが低く出ていくので、これもまた自然にダウンブローに打てますね。

三觜 フォローでグリップエンドを飛球線後方に向けるようにもいわれたでしょう。

──はい。ターゲットに向けて真っすぐ振ろうとするとアウトサイドインに振ってしまうので、飛球線後方から見たときに、フォローではグリップエンドが体で隠れてしまいます。左に振ってしまっているわけです。それを右方向に打つのがターゲットに正しく打っていることだとすれば、グリップエンドが見えるように振ることができます。

三觜 さらにはゴムのティーを連続で打つ、連続素振りもやらされたでしょう。

──ハーフスイングでやりました。バックスイングしてティーを打ってフォローをとったら、すぐにクラブヘッドを戻してティーを打ち、そのままバックスイングして再びティーを打つ。それを繰り返し行いました。このドリルはヘッドを跳ね上げていてはできないので、低いフォローをつくるのに役立ちますね。

三觜 この連続素振りを右回りのシャット・オープン・シャットの運動で行えば、スイングプレーンに乗ったよいスイングにできます。運動が止まらない連続運動であるところもスイングをよくします。

右回転の運動をするには右手をシャット・オープン・シャットに使う

──ダウンスイングで体を回転させずに、一旦止めて、手だけを振るというドリルもやりました。しかもその手も止めてヘッドだけを走らせる。もちろん、シャット・オープン・シャットの運動でやるので、インサイドインのスイングとなって、フォローで左肘が引けなくなりました。インパクトではヘッド・ビハインド・ザ・ボールにもなるので、かなり格好のよいスイングになりました。

三觜 頭を残してインパクト、フォローでは左腕を伸ばす。これを意識して右回りのスイングをやってみる。私もモニターで見ましたが、たった2回のレッスンでも、始めたときとはまったく変わっていました。

──ありがとうございます。最後に今回の特集が飛距離アップなので、ドライバーショットの飛ばしについて教えてほしいのです。

三觜 最初にも述べましたが、これまでのウエッジやショートアイアンでのハーフスイングの基礎練習を繰り返してやれば、ドライバーショットの飛距離もアップします。右回りのスイングをやって、正しいフェースターンや正しいインパクトができてくれば、ボールをつかまえてドローボールが出ますので、飛ばそうとしなくても飛びますよ。

──よくアイアンはダウンブローだが、ドライバーはアッパーブローといいますが、どうなのでしょう?

三觜 ドライバーはティーアップして打つので結果そうなるだけで、決してすくい打ってはいけません。アイアンのようにダウンブローで打ってジャストミートすればいいわけです。ハンドファーストでしっかりとボールを打ち抜くことが重要です。

──今やっている右回りのハーフスイングで練習してもよいのでしょうか?

シャット・オープン・シャットのハーフスイングを繰り返す
最後はドライバーで打つ

三觜 もちろんです。ウエッジやショートアイアンの練習の最後はドライバーを使ってやってみてください。注意することは、飛ばそうとしてマン振りしないこと。ウエッジやショートアイアンでやったことをドライバーでやるだけです。ゆったりとしたリズムでしっかりとフェースターンを行ってみてください。つかまった厚い当たりになりますよ。

──ドライバーを使ったドリルをいくつか教えてもらってもよいでしょうか?

三觜 膝立ちドリルですね。両膝をついて、それでクラブを振ります。こうすると腰が開きません。体が先走って手が遅れるといった悪い動きができないので、しっかりとしたインパクトができます。スイング軌道もアッパーブローには打てません。ダウンスイングで地面を打ってしまいますからね。右に回るスイングでダウンブロー気味に打つほうがいいわけです。インパクトでは右手は右肘を伸ばしながら回内し、左手はドアをノックする形でその右手を受け止める。そうすれば自然にフェースターンができて、球がつかまりますよ。

──このドリルをやってわかったことは、腰を速く回すからヘッドスピードが出るわけではないということですね。

三觜 アマチュアの皆さんは下半身リードを誤解してしまうのです。下半身を速く回して打とうとするのは、球がつかまらなくなって飛ばなくなる可能性も大きいので危険です。それよりもドライバーでもダウンブロー気味にインパクトするほうがはるかに飛びます。

──もう一つ、ドリルを教えてほしいのです。

三觜 足踏みドリルですね。足踏みしながらクラブを振ります。これも腰が開かずにスイングすることを覚えられます。足でリズムを取りながら左の骨盤で回るようにします。正面を向いたまま、左の骨盤を回転する。左足外側が流れないように我慢すると、左足のエッジが効いて左サイドに壁ができます。このドリルをやるだけで飛距離が伸びますよ。

──いろいろなことを教えていただきました。こうして半年後にはプロのようなスイングになり、今よりも40ヤードの飛距離アップができるように、ぜひなりたいと思います。これからもよろしくお願いします。

(文:本條強 写真:大森大祐)

 みつはし・よしかず 1974年12月29日生まれ。172センチ、78キロ。三觜ゴルフスクールを主宰。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。2014年日本プロゴルフ協会ティーチングプロアワード功労賞受賞。99年からジュニアを精力的に指導し、体の使い方を覚えさせるトレーニングにより、けがをしにくいスイングづくりを行っている。辻梨恵プロ、和田みな子プロら多くのプロを指導するツアーインストラクターでもある。

書斎のゴルフ VOL.30

出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,404円 (税込み)

次のコンペで勝つ! 10打縮まるゴルフの特講 (日経プレミアシリーズ)

構成 :『書斎のゴルフ』編集部
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 994円 (税込み)

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